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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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18日目:カシーア・ソヌスの世界
「ただの同級生ですよ。…あれ、それで合ってましたよね?」
驚きを隠してロゼが言うと、そんな彼の気持ちなど知る由もないヴィテスはこくりと頷いた。
「ああ。同じ学園の同級生だ。ロゼのことは変わった学年1位で有名だから、知っていた」
「あはは…」
変わった、とヴィテスに言われては笑うしかない。しかし、少女は首を傾げてこう言った。
「がくえん? どうきゅうせい?」
「ん?」
ヴィテスは不思議そうに彼女の反応を見たが、ロゼには心当たりがあった。
「なるほど」
うんうんと頷く。ヴィテスはそんなロゼをなんとも言えない(冷ややかとも、呆れとも言い難い)目で見る。
「一人で納得しないでくれ。説明しろ」
やや苛立ちが混ざった口調で言えば、ロゼはきっぱり言った。
「どうやら、彼女は僕たちの世界や、この世界とは別の世界の住民のようですね」
「ど、どうして?…あっ」
少女が目を丸くして問いかけてから、はっと口を押えるのを、ロゼは微笑ましく見ながら、
「僕たちが普通に知っている単語を知らないということは、その可能性が一番高いですよ。いかんせんこの世界には異世界人が山のように来ているんですから。もっとも、彼女はそれを隠したかったみたいですけどね」
ちょっと悪戯心をこめて言うのだった。


少女の名は、イヴスメル。
イヴのコピーがマスターと呼ぶ、オリジナルの少女だった。
「それでは、カシーア・ソヌスのことも知らないのでしょうか?」
イヴスメルが言ったものだから、ロゼとヴィテスは顔を見合わせる。
「いや…話すと長くなるから省略するが、カシーア・ソヌスは俺たちの世界の秩序の神だ」
「“俺たちの世界”の? じゃあ、この世界とお二人の世界は、違う…?」
後半になるにつれて、しょげていくイヴスメルの声。

さらに詳しく話を聞けば、イヴスメルはヴィテスたちの世界の異変を調べるために世界を渡ってきたらしい。それがどこでどう間違えたのか、このメルンテーゼに来てしまったというわけだ。
「異世界に何故、カシーア・ソヌスのことが伝わっているのです?」
ロゼが尋ねると、イヴスメルはおずおずと話し出した。


カシーア・ソヌスはイヴスメルの住む世界の創造神だという。
もともとは別の世界に住んでいたが、人々が自身に反する存在、パレドン・ソヌスの考えに同調したためその世界から出て、また別の世界を作ったのだと。

「俺たちの世界の人々が、パレドン・ソヌスに同調しているだと?」
訝しげにヴィテスが言うと、ロゼはこくりと頷いた。
「確かに今の世界を見ていると、そう言えると思いますよ。カシーア・ソヌスは平等の神。ですが人々は競争を選んだ。そんなところだと思います」
その言葉にイヴスメルは頷いた。
「はい。競争は憎しみしか生み出さないのに…。それを悲しんで、カシーア・ソヌスは私たちの世界を管理されています。でも、元いらした世界がおかしいのに気が付いて、放っておくことができなくて。私たちの王を通じて、元の世界の調査をしてほしいと意思を示されたのです。それで、王の側近である私が調査に来ました」
(突っ込みどころが満載ですね…)
内心ロゼは思ったが、それは声には出さず、そうですかと彼女の現状を受け入れた。
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