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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

カテゴリー「~story~」の記事一覧
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<前回までのあらすじ>
気が付くと、生活の糧ともいえるネクターを独占され、一揆を起こそうとしている人々が集まっていた世界「メルンテーゼ」に飛ばされていた、「ロゼ=フラン」。
メルンテーゼを支える「エンブリオ」の一体、「ウィスプ」に気に入られ、彼(?)の食事を維持するために一揆に興味を持つ。

一揆の勝率を上げるために暗躍している様子のルリアンナに出会い、ラルフという男から力試しを申し込まれる。ウィスプの力は小さく、危機に追い込まれるが、出身世界から紛れ込んでいた大弓の力でなんとか勝利する。
晴れてウィスプと共に一揆に参加することになったが、戦う力を発揮できないロゼは協力者を探す。
一揆の参加者には、彼が受け入れることのできない「人であらざる者」も多くいたが、「ギィ」「ライー」「ルチル」という協力者を得ることができた。

4人で一揆の場である城に入っていくと、現地の生物の妨害に遭う。
相変わらずウィスプは迷惑しかかけず、仲間を攻撃する始末であるがロゼはそんなウィスプに愛着を持ち始めていた。
そんな折、城の兵士が襲い掛かってくる。まだ入口からさほど進んでいないにもかかわらず兵士が姿を現わしたことで、敵の本気が窺える。

かなりの苦戦を強いられ、協力者が倒れる中、ウィスプはついに普通の攻撃の術を編み出すのだった。


<4日目>
ロゼは兵士に苦戦した事実から、奥地に進むのを一度やめ別の入口に行くことを提案した。
意外なことにそれはあっさり同意を得ることができ、方向を転換しようとする。ただし、そのためには現在目の前にいる生物を倒さねばならない。
「倒せるでしょうか…」
不安を隠すことはできないが、自分の協力者たちは全員年上である。信じるしかない。
(信じる…)
ざわり、とロゼの心がざわついた。その気持ちをさくっと封印するために、彼は昔のこと、つまり彼の出身世界でのことを思い出すことにした。

もともとロゼの世界には大きく分けて二つの種族がいた。
人間と、それ以外である。
それ以外の種族は様々な力を持ち、少なくとも見た目上は平穏な国の運営をしていた。
しかし人間はそうではなかった。力がない故に、他方の種族に襲われるという疑心暗鬼に陥り、力を求め続けていた。
ある者は信仰する神にすがった。そして神はそれに応えた…のかもしれない。
「人間には彼らにはない、超能力があるのです」
そう言って、超能力というものの存在を人々に知らしめた老婆がいた。名を「ミーミル」と言う。
ミーミルは「ハイザー学園」という学園を作り、超能力を発現させたいと願う人々を集め始めた。

しかしそれに不信感を持つ者も現われた。
なぜなら、それはいたずらに争いを生むことになるかもしれないからだ。その根拠もあった。
人間が信仰する神は2柱あるのだが、その1柱が「混沌のパレドン・ソヌス」。
ミーミルはパレドン・ソヌスの信者で、パレドン・ソヌスから超能力という力を得たのではないか…パレドン・ソヌスと対になる「平等のカシーア・ソヌス」の信者たちはそう危惧し、「カシーア会」を設立してハイザー学園について調べることをはじめた。
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お願い。
                どんな形でもいいから、生き延びて。

                        ・
                        ・
                        ・

青年が意識を取り戻した場所は、意識を失った場所とはまったく違う色彩に彩られていた。
意識を失った場所は、灰色。
現在目に映っているのは、緑色。
そして、その途中で見たものは、深い青に混じった、ピンク色。
「さっきのは、いったい…」
口から洩れた言葉は、なんの面白味も無かった。ただただ、茫然として青年は辺りを見回す。
彼を取り巻く風景は緑一色で、ざわり、ざわりと音を立てていた。それから視線を落とせば、すぐ近くに一張りの大弓が落ちている。
「これは確か…」
考えを巡らす。おそらく意識を失う直前まで一緒にいた同級生のものだろう。お互い面識はなかったが、あの同級生は弓道部の新星と呼ばれる有名人である。あちらは自分のことを知っているだろうか。ちなみに自分は成績が学年1位だから、有名かもしれない。そんなことを考えながら、大弓を手に取った。この弓の持ち主はどこだろう。弓を置いてどこかへ行った、という可能性は限りなく低い。ここがなにかわからない状態で、身を守るものを手放すなんて考えにくいからだ。
「とりあえず…彼を探すことからはじめましょうか」
独り言を言ったつもりだった。だが、それに反応が返ってきた。
(ころころころころ…」)
青年の視野の中に、淡く光る丸い物体が転がって入ってきたのだ。
「おや?」
別に語りかけられたわけではない。ただ、その物体は動じることなくころころと青年に寄ってくる。そして青年の前までやってくると、ぴたりと動きを止めた。
「……どうしました?」
先ほどまでの光が弱まったように見えて、青年は問いかけた。物体はじっとしたまま動かない。
「………」
青年は先ほどの大弓を地面に置き、そっと物体を持ち上げた。その瞬間、青年は面食らうことになる。

たくさんの言葉が、場面が、青年の頭の中に浮かび上がったのだ。それは全て、彼が経験してきた、記憶。

「うわぁぁぁぁ!」
ぼとり。物体を落とし、頭を抱える青年。
「ああ、ああ…あああ!」
何分ほど己の記憶に苦しんだだろうか。息が荒くなり、目の前が白くなり、このまま意識を失うのではないかと思われたが。やがて世界に色彩が戻ってきた。
「はあ、はあ、はあ…。この子は…、もしや…」
青ざめた顔で先ほど自分が落とした物体を見る。その目つきは青年が普段からつけているビン底メガネのせいでわからなかった。
(ころん)
しかし物体はひっくり返っていた。落とされた状態のまま微動だにしていなかったのである。
「………」
その様子を見て、青年は物体への疑念が消えていくのを感じた。
「違う。この子は、違う…」
疑念は消えたが、再び触ることには抵抗があるので、青年は腰をおろし物体と視線を合わせる。
「落としてごめんなさい。でもあなたもいけないのですよ、どうしてあんなことを?」
(ころころ…)
青年の声に反応して、光る丸い物体は転がり、点にしか見えない目を合わせた。ただの点であるその目からはなにも読み取れない――普通は。
「なにも、していない?」
しかし青年は普通ではなかった。物体の考えを理解して、首を傾げる。
「じゃあ、さっきのフラッシュバック現象の原因はあなたではなく僕にあると?」
(ころん)
拗ねるかのように青年が言うと、物体はまたころりと転がった。
「なっ…! 僕の言っていることが意味不明ですか!」
そして怒る。

「なんだろね、あの兄ちゃん。エンブリオと会話してるのかね」
「適当なこと言うてはるだけだろ。変な兄ちゃんやね」
いつの間にか青年と物体は人々に囲まれていた。
「…え?」
かなり遅かったが、青年はそれに気がつく。恥ずかしげに立ち上がると周りを見回して。
「すいません、ここ、どこですか?」
やはり変な問いかけをするのだった。

ここは元素の世界、メルンテーゼ。
エンブリオという存在に認められ、ネクターという物質を与えることによって豊かな生活が送られているという世界。
しかしネクターが独占され、困った人々は一揆を起こすという。それに協力するためやってきた、異世界からの協力者じゃないのかと青年は問われ、困惑する。意識を失うほどの騒動に巻き込まれ、気がついたらここにいたのだと話すと、なぜエンブリオに気に入られたのかと問い返された。
そんなこと知るか。
とは言えない青年は、先ほどから自分の周りをころころ転がっているエンブリオのためにネクターを取り返す一揆に参加することを決める。自分の世界とは違う世界で、帰るアテが無いのだから、自分に懐いたエンブリオに応えようというわけだ。――結末がどうであれ。
一揆、という言葉を使うだけあって、反乱をしようという人々は農民が多い模様。郷に入らば郷に従えと青年は彼らに頼み込んで服を調達してもらった。
緑のツナギに軍手。元々身につけていたビン底メガネを光らせないように、低空飛行するエンブリオ、ウィスプを連れて青年は一揆の最前線へと向かって行った。

「それでは、このロゼ=フラン、一揆に出発いたします!」
―――元素の世界で一揆だってさ。
―――へぇ。随分と時代錯誤だねぇ。
―――でも…かなりの力が集まると思われる…
―――しかし、どうやって世界を渡るというのです?
―――それはな…
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