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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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13日目:僕たちは歌う
ロゼが3番目に契約したエンブリオ、セイレーン。
ちょっと歌に自信があったロゼがさらに歌を上達させるために、参考にしようと思っていたところ、まったく参考にならなかったので、無理やり引っ張ってきたという経緯で一緒にいるのだ。

「さあ、セイレーン。練習ですよ」
ロゼが声をかけると、嫌そうに飛んでくる。
「では、宿題のフレーズをお願いします」
言うとセイレーンは歌いだす。しかしやはり微妙に外れているのだった。
(いっそのこと、音痴だったほうがいいのかもしれないですね…)
などと酷いことを考えていると、ヴィテスがやってきた。
「歌か?」
「ほら、歌とも認識されていませんよ」
「なっ、そ、そういうつもりは…!」
普通に声をかけたら、ロゼが毒らしき言葉を吐いたのでヴィテスはとても驚いた。手をばたばた振って、セイレーンに気を遣う。対してセイレーンは気にしていないのか、ふわりと浮かんでいる。
「今、特訓中なのですよ。伝説のセイレーンがこの歌唱力ではあまりにがっかりなので」
「そうなのか」
ロゼの言葉に、ただ相打ちを打つヴィテス。
「ヴィテスは歌、好きですか?」
話を広げるために次の質問を投げかけたが、ヴィテスがこくりと頷くまでは計算外だったようで。
「そうですか…、え、そうなんですか? では特訓の手伝いお願いしてもいいでしょうか」
変な返しをした。しかし立ち直りも早く、突然の振りまでする。するとヴィテスの眉が下がった。困っているらしい。
だが、やがて、こくり、と頷いた。
「よかったら、さっそく一フレーズ」
ロゼに言われるがままに、ヴィテスが歌いだす。

ロゼの歌色より、やや低く、芯の通った声が辺りに響き渡った。

あまりのことにロゼは目を点にして、それを聞くことしかできないのであった。――セイレーンの教育係が変わった瞬間だった。
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