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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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12日目:葛藤
ヴィテスはロゼに連れられて一揆で行動を共にしている人々と顔を合わせた。
どこか引きつった顔でロゼと同じ世界から来たと告げるヴィテスを後目に、ロゼは考え込んでいた……。

一揆が始まってからもう12日目になろうとしていた。
ロゼはウィスプと共に夜の道を歩いている。ウィスプがほんのりと輝いているので、暗闇の恐怖というものがロゼを襲うことはない。
いやむしろ――
「暗闇の中で僕は生きてきたんですよ」
ぽつりとロゼはウィスプに語り始めた。
ウィスプはロゼの告白を黙って聞き、全てを打ち明けられた後もただぼんやりと輝くだけだった。

翌朝。
夜の散歩でロゼはやや寝坊した。
眠い目をこすって起きてくると、ヴィテスが能弁に話している姿が飛び込んでくる。
「………」
唖然とそれを見つめていると、ヴィテスはロゼを見つけてバツの悪い顔をした。
「おはよう。久しぶりに普通に話せて興奮してしまってさ。なんかその、ごめんな?」
謝られて、内心ロゼは冷や汗をかく。昨日は自分の心を読めないと言っていたが、戻ったのではないかと。
しかし、ロゼが焦っていることには全く気付く様子がないので考え直す。能力以前の問題で、彼はもともと気が付くタイプなのかもしれないと。
「いえ、なじんでいるようでなによりです。ところで、一揆に参加するつもりはあります?」
問われると、ヴィテスはああ、と声をあげた。
「ここは俺の世界と違う世界で、帰る方法がわからないなら、帰る方法を見つけないとな。そんな力を持っているエンブリオを探すっていうのはいいかもしれない」
そういえばルチルがそんなことを言っていたか。ロゼは納得してこくこくと頷いた。しかし、次にヴィテスの口から飛び出してきた言葉は意外なものだった。
「そしてキミを見送って、俺はどうしようかな」
「そうですね……って、え?」
流れで頷いてしまってから違和感を感じて間抜けな声を出してしまうロゼ。しかし頭を使えば理由は導き出せるわけで…。
「この世界では俺は能力に悩まされることはない。こちらの世界で生きていきたい」
「そう、ですか……そうですね」
そして、ヴィテスが知らない範囲の情報を照らし合わせた上でもそれが良いと、ロゼは思い、同意した。
(……姉さんは怒るかもしれないですけどね)
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