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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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10日目:再遭遇
美しい河原から一転。古めかしい建物の前にロゼは吹き飛ばされていた。
「今の爆発は…」
身体への衝撃も大きかった。しかしそれどころではないと、辺りを見回す。
「意外とタフなんだなぁ~」
降ってきたのは若い男の声。声の発信源を探してきょろきょろすれば、
「こっちだ、こっち」
ひらり、と目の前に青年が現われた。ただし真っ赤な髪と炎を両手に纏わせた姿は人外だと思わせるには充分だった。
「………」
「ハイザー学園2年の有名人、ロゼ=フラン。だけど同時にカシーア会会員、ロゼ=フラン、だろ?」
にこりと笑う相手に対してロゼの口元は硬く結ばれたままだ。
しばしの沈黙の後、ひょいと青年は上半身を下ろし、極力視線の高さを揃えて続ける。
「ウンとかスンとか言えよ。ホントにカシーア会の連中は魔属を嫌うなぁ」
「どうしてここに。ここは異世界のはずなのに」
ロゼが言葉を発すると、ぽかんとした顔になり、それからははは、と笑い出した。
「異世界でまで魔属を見たくなかったってか? 残念ながら、お前たちが開けてくれた空間は通り放題なのよ」
上機嫌にしゃべりながら上半身を戻すと、その場から動こうとしないロゼをつんつんと足で突く。
「超能力のソウジョウコウカとかいう奴らしいぜ? お前と一緒にもう一人いただろ、園長に呼ばれてよ。園長は知っていたのさ。お前たちの超能力を掛け合わせれば、異界への空間が開くってな」
「“園長”が?」
おとなしく突かれたまま復唱すると、青年の表情が一瞬歪んだ。が、すぐにそれは消えて、トドメだと言わんばかりにガツリとロゼを蹴飛ばす。
「そうさ! お前たちが園長と呼んでいたのは、俺たちを束ねる女、ミーミルさ。さて、そろそろおしゃべりはやめて」
「そう、ですか………なら」
そのまま転がり上を向いたロゼの顔がくしゃりと歪もうとしたときだった。
ヒュン!
音を立てて、なにかが男のほうへ飛来するのが確認できる。ロゼは口を結び状況を伺った。
「ん? ――でぇぇぇぇぇ!!」
腕を抑えて憎らしげにロゼを睨み男が叫ぶ。
「なんだよ!? このボンバーに気付かれずに攻撃したってのか!!」
「違いますよ」
対してロゼは冷静に答えると、ゆっくりと起き上がった。そしてなにかの発射地点を探す。するとそこに予想通りの見覚えのある姿があったので、自分の意思と関係なく笑みが浮かぶのに気が付いた。
風に独特の衣装をなびかせて、ヴィテス=オートンが立っていた。次の矢の準備をして。
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