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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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A:10日目
「つまりどうしたいのさ」
「つまりどういうことなのさ」
似た者同士のふたりは顔を突き合わせて問いかけあう。

「僕はこの魂を救いたい」
「えーと、少し頭を整理させてくれ」
そして、律儀にお互いに答えた。
その答えはきちんと文脈が繋がっていて。
死の司はミニットを困った顔で見た。

「まず、この世界は滅びている。
 人が生きていても、こんな状態でこの世界が成り立っているとは言えないよね」
「確かに…」
他の世界で例えるなら、荒野と廃墟だ。
その中で生活をしているように石像が立っている。
「よし、俺は間違っていなかった」
えへんと胸を張る死の司。
ミニットは呆れてそれを見るだけにとどめた。
「…突っ込んでくれないかい」
「笑い方と、そのセンスだけはわからないよ」
ツッコミ待ちをばっさりと切り捨て、ミニットはあらためて世界を見下ろした。
(…どうしてこんなに心が騒ぐのだろう。
 僕は人を殺すのが使命でトリすらも殺めようと企んでいるのに)
複雑な心中。
そんなことは気付く様子もなく、死の司は言葉を続けていた。
「でもまぎれもなくこの人たちは生きているんだ。それを殺すことはできない」
「何故。あなたが『彼らは死期だ』と認めればいいだけのことじゃないか」
ミニットの問いに、再び死の司の羽ばたきが聞こえなくなる。
「まさか、思い当たらなかったとか言わないよね」
再び落ちていく死の司。まあツッコミ待ちだろう。そう思い、ミニットは放置した。
「つまりだねー」
墜落した先から、聞こえてくる声。
「大きな声では言えないけどー、俺の死期認定よりー、
 彼らの永遠に生き続けるっていう縛りの方がー、大きいのさー」
大きな声で言っているじゃないか。…そう言ったら負けだろう。
それよりも、いつまであの大声を続けるのか試そう。
そんなことを考えつつ、ミニットは死の司をにらみつける。
「役立たず」
「なに!」
どぴゅーん。
翼を使わず、すさまじい勢いで急上昇してくる死の司。
さっとかわして、ミニットは極力冷たい目で言った。
「あなたに言うのは馬鹿のやることだと思ったけど、
 わかっていない可能性を危惧して言うよ」
しかし、死の司のどこか軽い雰囲気は消えない。
「魂は生物の世界でさまざまに染まる。それをリセットするのが死だ」
「そうだね。いつか生物は死ぬ。その前提で冥界も天界もあるんだもの」
「…完全に冥王の受け売りだけれどね」
ミニットはそこまで言って、ふと思い出す。

「僕は…死をもたらす者だ」
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