Ａ：１８日目

サボリ癖がついてきたよ。

他に優先すべきことがあるから…。
って言ったほうがカッコいいかな。

----------
書くところが無かったので、ここにメモ。
お、お金がないのはどうしようか…！
困ったときの、りす頼み。

小さい貝殻：防具
流木：魔石
を、合成。

松：武器

初期武器+あぶない果実→軟骨
石英+軟骨→なかなかの物体を、武器に付加。

Ａ：１４日目

倒れた者たちの骨を見つけた。
まあ当然ながら埋葬するわけだけど。

その中に、トリの骨があったら、どうする？

僕はね。
もちろん、いただいていくよ。

つくづく――死神、でしょう？

Ａ：１３日目

街に到着した。
いやあ、いくら荒れ果てているとはいえ、
食べ物があるだけでありがたいものだよね。

なんだろう。
昨日の日記を見て思ったけれど、自分に他人を気遣うことができるなんて
意外だったよ。
そして、使用人さんもさ。
あの人が、あそこまで必死になるっていうのも…意外だった。

僕はそんなに本質を見るのが苦手だったかな、って思う。
天狗だったのかなと思うと笑いが込み上げる。

さて、しばらくは街探索の予定だ。
これなら食料も街でやっていけるし、
出発するときに、ほのちゃんの分を買うのを忘れなければ問題ない。

え。
馬車を飛ばしすぎて、花子さんが落ちてた、だってぇぇぇ？！

Ａ：１２日目

ちょっと過去を振り返っていられない食糧事情なんでね…

そのことに気がついたのは、ほのちゃんの言葉だった。
「いつもご飯を用意してくれて、ありがとう」
驚いたよ。
ほのちゃんからそんな言葉が出てくるなんて。
僕が彼女の本質を見れていなかった、っていうのもあると思うけどさ。
とにかく、ほのちゃんは弱っていた。

僕？
僕は食べ物があったから、楽観的だったんだよね。
あのまずい果物を、いかにおいしくするかしか考えていなかった。

でも限界だったんだ、普通の女の子には。
あの食材で体力を持たせることが…
反省する。

おや…
街が、見えてきた。馬車を走らせよう。

そして今度は、いいものを買ってあげるんだ。
…２００ＰＳしか持ってないけどね。

Ａ：１１日目

死の司の顔色がさっと青くなるのがわかった。

「だ、だめだよ。その権利を今使うのは。君の命の保証ができない」
「かまわないよ」
なぜかはわからない。
だが、ミニットはそう答えていた。
自分の命より、この哀れな魂を救うことを優先した、
なんて自己犠牲精神のあふれた素晴らしい冥使なんだろう！
そんなことを思いながら、自嘲の笑みをこぼす。
もちろん、そんな理由ではない。
そんなはずはない。

死の司からはすっかり軽い雰囲気は吹き飛び、
バサバサとミニットの正面を陣取った。
「俺さえ平気で消そうとする相手だ。冥使を消すことにためらいは感じないよ、
彼女は」
「あはは。なおいっそう、その彼女とやらの顔を拝みたくなったよ」
なぜこんなに愉快なのだろう。
死ぬかもしれない――いや、死ぬというのに。
「正気か！」
いや、違うね。
言葉にしようと思ったその時、遠くからバタバタという音が聞こえてきた。
「あれは…」
死の司は音の方角をひょいと見て、ミニットを盾にして隠れる。
「トリじゃないか！」
盾にされたほうは、それを幸せに思った。
なぜならやってきたのは、斬りたくてたまらない、天使だったのだから。

「なーに独り言言ってんのよ！　人殺しをしようとする冥使！
浄化してあげるわ！」
やってきたのは、攻撃部隊のリーダーだった。名をブリアという。
口癖は「浄化してあげるわ」。
冥使を悪と決めつけ、しょっちゅうトラブルを起こしていると
冥界でも有名人である。
そう、冥界で“も”。
人間界にもあらわれるので、一部の人間にさえ有名になっていた。

「独り言、ねぇ…」
ミニットは死の司の姿を一応探す。
おおかたの予想通り、彼は姿をくらませていた。
「そうよ。私たちのことをトリ扱いして！　浄化してあげるわ！」
意味がわからないよ。
口癖なので意味はないのだろう。ミニットは指摘せずに、暖かく見てやる。
「なによその目は！
立ち入り禁止の世界に不法侵入者が、しかも冥使がいるって聞いて
あわてて飛んできたのよ！」
「それはお疲れさん」
やんわり返すと、なにが気に障ったのか、ブリアは髪が乱れんばかりに
大袈裟に武器を振り回す。
「バカにしてるでしょ！　浄化してあげるわ！」
そして、しょうもない理由で戦いの火ぶたは切って落とされた。