忍者ブログ

定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

A:11日目
死の司の顔色がさっと青くなるのがわかった。

「だ、だめだよ。その権利を今使うのは。君の命の保証ができない」
「かまわないよ」
なぜかはわからない。
だが、ミニットはそう答えていた。
自分の命より、この哀れな魂を救うことを優先した、
なんて自己犠牲精神のあふれた素晴らしい冥使なんだろう!
そんなことを思いながら、自嘲の笑みをこぼす。
もちろん、そんな理由ではない。
そんなはずはない。

死の司からはすっかり軽い雰囲気は吹き飛び、
バサバサとミニットの正面を陣取った。
「俺さえ平気で消そうとする相手だ。冥使を消すことにためらいは感じないよ、
彼女は」
「あはは。なおいっそう、その彼女とやらの顔を拝みたくなったよ」
なぜこんなに愉快なのだろう。
死ぬかもしれない――いや、死ぬというのに。
「正気か!」
いや、違うね。
言葉にしようと思ったその時、遠くからバタバタという音が聞こえてきた。
「あれは…」
死の司は音の方角をひょいと見て、ミニットを盾にして隠れる。
「トリじゃないか!」
盾にされたほうは、それを幸せに思った。
なぜならやってきたのは、斬りたくてたまらない、天使だったのだから。

「なーに独り言言ってんのよ! 人殺しをしようとする冥使!
浄化してあげるわ!」
やってきたのは、攻撃部隊のリーダーだった。名をブリアという。
口癖は「浄化してあげるわ」。
冥使を悪と決めつけ、しょっちゅうトラブルを起こしていると
冥界でも有名人である。
そう、冥界で“も”。
人間界にもあらわれるので、一部の人間にさえ有名になっていた。

「独り言、ねぇ…」
ミニットは死の司の姿を一応探す。
おおかたの予想通り、彼は姿をくらませていた。
「そうよ。私たちのことをトリ扱いして! 浄化してあげるわ!」
意味がわからないよ。
口癖なので意味はないのだろう。ミニットは指摘せずに、暖かく見てやる。
「なによその目は!
立ち入り禁止の世界に不法侵入者が、しかも冥使がいるって聞いて
あわてて飛んできたのよ!」
「それはお疲れさん」
やんわり返すと、なにが気に障ったのか、ブリアは髪が乱れんばかりに
大袈裟に武器を振り回す。
「バカにしてるでしょ! 浄化してあげるわ!」
そして、しょうもない理由で戦いの火ぶたは切って落とされた。
PR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
 管理人のみ閲覧
 
Copyright ©  -- ダブルスパイサー --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Material by 妙の宴 / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]