定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。
[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
探索11日目
「フェイテルサマ! フェイテルサマ!」
ドンドンドンと合同宿舎のテレビを叩くシャル。
合同宿舎ではお正月が行われていた。
テーブルの真ん中にはお重が置かれており、まわりにはご馳走が並んでいる。
というのも、宿舎の主、オルドビスが御節を好まないため、
カルニアが彼も満足するように気を使ってご馳走を作ったのである。
『でも~、お正月気分は味わってくださいよぅ~。ちょっとでいいですからぁ~!
お重の中身も悪くないですよぅ~』
とカルニアが言って、雑煮を彼に手渡すと、即座にオルドビスは
茶碗をひっくり返して、横でスタンバイしていたカルニアのペットの
がおの口の中に放り込んだ。
『がおがお~♪ ……… げー!』
『きゃー! がお、大丈夫ですか! のどにお餅が詰まったんですね!
オルドビスさん! やめてください!』
『なんだよー。お餅はボクの好物なのにぃー。どうせならボクにちょうだい!』
『雑煮はいらん』
先刻、こんなくだらない光景が繰り広げられていた。
それも落ち着いて、フェイテルに召喚される邪心3人は手に正月セットを持って
スタンバイしていた。
フェイテルにもお正月を紹介したいとカルニアが言い、
しかし宿舎にあの女を呼ぶなとオルドビスに言われたので、
彼らがまとめて召喚されようとお正月道具を手にしているのである。
「なあに、シャル」
フェイテルからの応答があった。
「あのね、今、新年なんだ。新年ってわかる? 年が変わったんだよ!」
「人間が数える暦に興味は無いわ」
なんのことかわかってるじゃんか…とシャルは思う。
でもそんな文句を言っても不毛なので、シャルは話を続ける。
「新年には特別なご馳走を食べるんだ。あと遊ぶんだ! こういう服も着るんだ!
フェイテルサマにもそれを体験してもらおうと思って、ボクたち、道具を持って
スタンバイしてるんだよ。だからみんなまとめて呼んでもらえないかなぁ?」
テレビに映るフェイテルはいつものように微笑みを浮かべている。
全然答えの予想ができない…とシャルは思った。
「いいわよ」
やや沈黙があってから、彼女は答えた。
「私は見ているから、貴方たち、好きにやりなさい」
「え。そうじゃなくて」
シャルの反論も途中のまま、彼らは転送されていった。
「やれやれ。あんな奴になんで好き好んで会いに行くんだろうな」
残されたオルドビスはそう言って、ご馳走の残りのグラタンにフォークを伸ばした。
「じゃーん!」
シャルは和服と呼ばれる種類のものを着込んでいた。カルニアはいつもと
ほぼ変わらないスーツ姿。エリアスはシャルに巻き込まれて和服である。
「どう? どう? フェイテルサマ♪ 似合うー?」
ぴらぴらと服を風になびかせてくるくる回る。踊る。
それをフェイテルはやはり微笑みで見ているだけだ。
その間にカルニアはせっせと御節のセッティングをしていた。
「カルニア…俺もなにか手伝おうか」
「お心遣いありがとうございます。でも結構です。きっとなにかが壊れます」
エリアスは破壊の邪心。それを抜きにしても超がつくほどの不器用なのでカルニアは
きっぱり断った。やることが無くなったエリアスは持ってきた荷物をいじっている。
「なんだこれは…」
黒い玉に鮮やかな羽がついているものを見つけた。
それをいじっていると、羽がぽろりと取れた。
「………」
「ほら、こーわーすー。仕事を増やさないでくださいな」
カルニアが手にとってちょちょいとやると、あっという間にそれは元通りになった。
「…すまん」
「いいんですよ。暇になると呪い巻き散らかす人よりは幾分もマシですから」
もちろん、シャルのことである。そのシャルはフェイテルに散々和服を見せると、
エリアスを呼んだ。
「ほらほらー。二人並んでポーズ! ね? カッコイイでしょ?」
「ぽーず…」
二人で謎のポージングをしているのをよそに、カルニアはさっさとテーブルと
イスまで用意して、お重と雑煮鍋を置いた。
「フェイテルサマも着てみない? 和服! きっと似合うよー」
そうシャルが言うと、ぽんと更衣室が現れた。さらに衣装のクローゼットまで。
しかしフェイテルはにこにこしているだけである。
シャルもにこにこしている。
しばらくそれが続くと。
「とりゃっ」
シャルはフェイテルをこともあろうに持ち上げて更衣室に放り込み、
クローゼットから赤の着物を取ると、自分も更衣室に飛び込んだ。
「ちょ…」
カルニアが絶句する。
エリアスも呆然とその様子を見ている。
更衣室の布がもこもこと動いている……。
「さあできた! 出てきて、フェイテルサマ!」
そう言いながらシャルが更衣室から出てきた。
すこしの間のあと、かつん、かつん、と音を立ててフェイテルが出てきた。
「おおー」
「…これは……」
赤の着物に身を包み、頭のヴェールは取られていて、梅の花飾りが付けられている。
そしてフェイテルは微笑みを深くした。
「ギャン!」
シャルが空中に浮かんで、猛スピードで落ちた。
「いたたたたた…」
「ありがとう、シャル。人間はこんな格好をして年の区切りを祝うのね」
なんでお礼言うのに攻撃するのさー! とシャルはぷうとふくれた。それを見て、
カルニアがポンと手を打つ。
「そうでした。お餅を焼きましょう!」
「カルぅ~? キミ、なにからお餅を連想した?」
カルニアはにっこり笑ったが、実のところちょっと口が引きつっている。
「いやだなぁ。シャルのほっぺから連想するなんて失礼なこと、
するわけないじゃないですかぁ~」
「したんだね! 呪ってやる、呪ってやるー!!」
バタバタとシャルはカルニアを追いかけ始めた。それを完全に無視してエリアスは
フェイテルのところへ歩み寄る。
「その靴は特殊だ。歩くのが難しい。こけないように気をつけろ」
エリアスも似たような靴を履いている。だからこそ気を使ったのだが…
「あなたが私を心配するなんてね。明日の天気はなにかしら。
この世界はシャルが天を支配していないから、わかりづらいのよね…」
と心無い言葉が返ってきた。
「…もういい」
「…私を憎んでいると言いながら、本当は心配しているのかしら?
その可能性はあるわね。たった3人しか残っていないのだから。
あの子が捨てた感情を受け取った貴方がこんなことを言うのなら」
フェイテルの言葉が中断した。
エリアスが漆黒の刃の剣を抜いて彼女に突きつけたのである。
「忘れるな。俺もあの方も貴様を許してはいない。いつかこの手で」
容赦ない殺気。
遺跡の中で、人の少ないところだったから良かったものの、
草原の草があっという間に消えうせた。
それに対してもフェイテルは微笑むだけである。
「はーい、終わり終わり! もう、キミはー。気持ちは知ってるけど、
一般人を巻き込むところでやっちゃダメ!」
シャルが漆黒の刃を抱きかかえるかのように上から覆いかぶさった。
「おまえっ」
エリアスは慌てて剣の力を止める。おかげでシャル本体はもちろん、
シャルの着ている和服も傷がつかずに済んだ。
「あら…ずいぶんコントロールできるようになっているのね。
てっきりシャルがまっぷたつになる覚悟で止めに来てくれたのだと思ったわ」
「覚悟だヨ!」
平然と言うフェイテルに対し、シャルは抗議を行う。
「でも貴方も、私のこと、嫌いじゃなかったの?」
「キライだよ。だってボクの自由を奪うんだもん。だけどそれはそれ。これはこれ。
フェイテルサマがいなくなったら困ることもいろいろあるんだよ!」
シャルはそう言ってパンパンと手を叩いた。
(…これが頂点に立つ邪心故の行動なのかしら)
フェイテルはそう思いながら、シャルとエリアスを見比べる。
「さあ、お餅が焼けました。ご馳走にしましょう? ね?」
カルニアもテーブルの横で3人を誘う。
「フェイテル様、これが御節というものです。あまり食べ物は口になされたことは
無いと思いますが、一般的に食べられているものとはだいぶ違った味がしますよ。
それからこちらがお雑煮です。餅という喉に詰まりやすいものが入っているので、
よく噛んで食べてくださいね?」
カルニアはにこにこ笑う。
(さ、2人とも笑って。笑わないと食い殺しますよ)
そしてそっとシャルとエリアスにささやくのだ。
(そしたら呪い返す)
(やられる前に殺る)
2人はそう答えたが、正月を楽しむために来たのだ。
これ以上争っていても仕方がないだろう。
そんなわけで、シャルは笑顔で、エリアスも普段どおりの(といっても仏頂面だが)
顔でテーブルの席についた。
そしてホカホカと湯気の立つ雑煮がそれぞれに配られるのだった。
食事が終われば、遊びである。
先ほどエリアスが破壊した黒い玉に羽のついたものは、
羽根つきという遊びに使うものだった。
「じゃあ、ボクとカルが見本を見せるから、フェイテルサマ、
後でボクと遊ぼうね!」
「私は見ているだけでいいのよ」
フェイテルはまたまたにっこり笑うが、シャルはそれを許すつもりはない。
「またまたぁ~。約束だよ! 一緒にやろうね!」
一方的に約束を取り付けると、カルニアと共に羽つきをはじめた。
かつん。かつん。
羽子板に羽玉が当たってラリーになっている。
エリアスはそれを見ながら、自分だったら板か玉を叩き壊すのだろうなと思って
内心しゅんとした。
「……エリー。ボクと羽根つきしよっか?」
「おや。ターゲットが変わりましたね。でしたら、フェイテル様。
私とやりましょうか!」
「しかし俺は」
「ダイジョウブダイジョウブ! もし壊しても、カルがなんとかするから!」
シャルはエリアスをバシバシ叩くと羽根つきをはじめた。
結果:羽子板破損4枚、玉破損11個。
「次は凧揚げだぞー!」
シャルは風を操ってスルスルと揚げていく。
「いや、それじゃ面白くないでしょう! いかに自然に風を捕まえて揚げるかに
面白みがあるのであって…」
「これがボクの自然だよ?」
カルニアのクレームの意味がわからない、といった感じのシャル。
カルニアは額に手をやってやれやれ…としている。
「これなら壊れそうにないな…」
エリアスも凧揚げに参加。凧を置いて、猛ダッシュしている。
ずるずる引きずられていた凧も、やがて風に乗り浮かんだ。
「おお! これですよこれ!」
カルニアは珍しくエリアスの行動がお気に召したようだ。
下のほうがかなりボロボロになっているのはご愛嬌。
そしてその様子をフェイテルはやっぱり微笑んで見守っているのだった。
ドンドンドンと合同宿舎のテレビを叩くシャル。
合同宿舎ではお正月が行われていた。
テーブルの真ん中にはお重が置かれており、まわりにはご馳走が並んでいる。
というのも、宿舎の主、オルドビスが御節を好まないため、
カルニアが彼も満足するように気を使ってご馳走を作ったのである。
『でも~、お正月気分は味わってくださいよぅ~。ちょっとでいいですからぁ~!
お重の中身も悪くないですよぅ~』
とカルニアが言って、雑煮を彼に手渡すと、即座にオルドビスは
茶碗をひっくり返して、横でスタンバイしていたカルニアのペットの
がおの口の中に放り込んだ。
『がおがお~♪ ……… げー!』
『きゃー! がお、大丈夫ですか! のどにお餅が詰まったんですね!
オルドビスさん! やめてください!』
『なんだよー。お餅はボクの好物なのにぃー。どうせならボクにちょうだい!』
『雑煮はいらん』
先刻、こんなくだらない光景が繰り広げられていた。
それも落ち着いて、フェイテルに召喚される邪心3人は手に正月セットを持って
スタンバイしていた。
フェイテルにもお正月を紹介したいとカルニアが言い、
しかし宿舎にあの女を呼ぶなとオルドビスに言われたので、
彼らがまとめて召喚されようとお正月道具を手にしているのである。
「なあに、シャル」
フェイテルからの応答があった。
「あのね、今、新年なんだ。新年ってわかる? 年が変わったんだよ!」
「人間が数える暦に興味は無いわ」
なんのことかわかってるじゃんか…とシャルは思う。
でもそんな文句を言っても不毛なので、シャルは話を続ける。
「新年には特別なご馳走を食べるんだ。あと遊ぶんだ! こういう服も着るんだ!
フェイテルサマにもそれを体験してもらおうと思って、ボクたち、道具を持って
スタンバイしてるんだよ。だからみんなまとめて呼んでもらえないかなぁ?」
テレビに映るフェイテルはいつものように微笑みを浮かべている。
全然答えの予想ができない…とシャルは思った。
「いいわよ」
やや沈黙があってから、彼女は答えた。
「私は見ているから、貴方たち、好きにやりなさい」
「え。そうじゃなくて」
シャルの反論も途中のまま、彼らは転送されていった。
「やれやれ。あんな奴になんで好き好んで会いに行くんだろうな」
残されたオルドビスはそう言って、ご馳走の残りのグラタンにフォークを伸ばした。
「じゃーん!」
シャルは和服と呼ばれる種類のものを着込んでいた。カルニアはいつもと
ほぼ変わらないスーツ姿。エリアスはシャルに巻き込まれて和服である。
「どう? どう? フェイテルサマ♪ 似合うー?」
ぴらぴらと服を風になびかせてくるくる回る。踊る。
それをフェイテルはやはり微笑みで見ているだけだ。
その間にカルニアはせっせと御節のセッティングをしていた。
「カルニア…俺もなにか手伝おうか」
「お心遣いありがとうございます。でも結構です。きっとなにかが壊れます」
エリアスは破壊の邪心。それを抜きにしても超がつくほどの不器用なのでカルニアは
きっぱり断った。やることが無くなったエリアスは持ってきた荷物をいじっている。
「なんだこれは…」
黒い玉に鮮やかな羽がついているものを見つけた。
それをいじっていると、羽がぽろりと取れた。
「………」
「ほら、こーわーすー。仕事を増やさないでくださいな」
カルニアが手にとってちょちょいとやると、あっという間にそれは元通りになった。
「…すまん」
「いいんですよ。暇になると呪い巻き散らかす人よりは幾分もマシですから」
もちろん、シャルのことである。そのシャルはフェイテルに散々和服を見せると、
エリアスを呼んだ。
「ほらほらー。二人並んでポーズ! ね? カッコイイでしょ?」
「ぽーず…」
二人で謎のポージングをしているのをよそに、カルニアはさっさとテーブルと
イスまで用意して、お重と雑煮鍋を置いた。
「フェイテルサマも着てみない? 和服! きっと似合うよー」
そうシャルが言うと、ぽんと更衣室が現れた。さらに衣装のクローゼットまで。
しかしフェイテルはにこにこしているだけである。
シャルもにこにこしている。
しばらくそれが続くと。
「とりゃっ」
シャルはフェイテルをこともあろうに持ち上げて更衣室に放り込み、
クローゼットから赤の着物を取ると、自分も更衣室に飛び込んだ。
「ちょ…」
カルニアが絶句する。
エリアスも呆然とその様子を見ている。
更衣室の布がもこもこと動いている……。
「さあできた! 出てきて、フェイテルサマ!」
そう言いながらシャルが更衣室から出てきた。
すこしの間のあと、かつん、かつん、と音を立ててフェイテルが出てきた。
「おおー」
「…これは……」
赤の着物に身を包み、頭のヴェールは取られていて、梅の花飾りが付けられている。
そしてフェイテルは微笑みを深くした。
「ギャン!」
シャルが空中に浮かんで、猛スピードで落ちた。
「いたたたたた…」
「ありがとう、シャル。人間はこんな格好をして年の区切りを祝うのね」
なんでお礼言うのに攻撃するのさー! とシャルはぷうとふくれた。それを見て、
カルニアがポンと手を打つ。
「そうでした。お餅を焼きましょう!」
「カルぅ~? キミ、なにからお餅を連想した?」
カルニアはにっこり笑ったが、実のところちょっと口が引きつっている。
「いやだなぁ。シャルのほっぺから連想するなんて失礼なこと、
するわけないじゃないですかぁ~」
「したんだね! 呪ってやる、呪ってやるー!!」
バタバタとシャルはカルニアを追いかけ始めた。それを完全に無視してエリアスは
フェイテルのところへ歩み寄る。
「その靴は特殊だ。歩くのが難しい。こけないように気をつけろ」
エリアスも似たような靴を履いている。だからこそ気を使ったのだが…
「あなたが私を心配するなんてね。明日の天気はなにかしら。
この世界はシャルが天を支配していないから、わかりづらいのよね…」
と心無い言葉が返ってきた。
「…もういい」
「…私を憎んでいると言いながら、本当は心配しているのかしら?
その可能性はあるわね。たった3人しか残っていないのだから。
あの子が捨てた感情を受け取った貴方がこんなことを言うのなら」
フェイテルの言葉が中断した。
エリアスが漆黒の刃の剣を抜いて彼女に突きつけたのである。
「忘れるな。俺もあの方も貴様を許してはいない。いつかこの手で」
容赦ない殺気。
遺跡の中で、人の少ないところだったから良かったものの、
草原の草があっという間に消えうせた。
それに対してもフェイテルは微笑むだけである。
「はーい、終わり終わり! もう、キミはー。気持ちは知ってるけど、
一般人を巻き込むところでやっちゃダメ!」
シャルが漆黒の刃を抱きかかえるかのように上から覆いかぶさった。
「おまえっ」
エリアスは慌てて剣の力を止める。おかげでシャル本体はもちろん、
シャルの着ている和服も傷がつかずに済んだ。
「あら…ずいぶんコントロールできるようになっているのね。
てっきりシャルがまっぷたつになる覚悟で止めに来てくれたのだと思ったわ」
「覚悟だヨ!」
平然と言うフェイテルに対し、シャルは抗議を行う。
「でも貴方も、私のこと、嫌いじゃなかったの?」
「キライだよ。だってボクの自由を奪うんだもん。だけどそれはそれ。これはこれ。
フェイテルサマがいなくなったら困ることもいろいろあるんだよ!」
シャルはそう言ってパンパンと手を叩いた。
(…これが頂点に立つ邪心故の行動なのかしら)
フェイテルはそう思いながら、シャルとエリアスを見比べる。
「さあ、お餅が焼けました。ご馳走にしましょう? ね?」
カルニアもテーブルの横で3人を誘う。
「フェイテル様、これが御節というものです。あまり食べ物は口になされたことは
無いと思いますが、一般的に食べられているものとはだいぶ違った味がしますよ。
それからこちらがお雑煮です。餅という喉に詰まりやすいものが入っているので、
よく噛んで食べてくださいね?」
カルニアはにこにこ笑う。
(さ、2人とも笑って。笑わないと食い殺しますよ)
そしてそっとシャルとエリアスにささやくのだ。
(そしたら呪い返す)
(やられる前に殺る)
2人はそう答えたが、正月を楽しむために来たのだ。
これ以上争っていても仕方がないだろう。
そんなわけで、シャルは笑顔で、エリアスも普段どおりの(といっても仏頂面だが)
顔でテーブルの席についた。
そしてホカホカと湯気の立つ雑煮がそれぞれに配られるのだった。
食事が終われば、遊びである。
先ほどエリアスが破壊した黒い玉に羽のついたものは、
羽根つきという遊びに使うものだった。
「じゃあ、ボクとカルが見本を見せるから、フェイテルサマ、
後でボクと遊ぼうね!」
「私は見ているだけでいいのよ」
フェイテルはまたまたにっこり笑うが、シャルはそれを許すつもりはない。
「またまたぁ~。約束だよ! 一緒にやろうね!」
一方的に約束を取り付けると、カルニアと共に羽つきをはじめた。
かつん。かつん。
羽子板に羽玉が当たってラリーになっている。
エリアスはそれを見ながら、自分だったら板か玉を叩き壊すのだろうなと思って
内心しゅんとした。
「……エリー。ボクと羽根つきしよっか?」
「おや。ターゲットが変わりましたね。でしたら、フェイテル様。
私とやりましょうか!」
「しかし俺は」
「ダイジョウブダイジョウブ! もし壊しても、カルがなんとかするから!」
シャルはエリアスをバシバシ叩くと羽根つきをはじめた。
結果:羽子板破損4枚、玉破損11個。
「次は凧揚げだぞー!」
シャルは風を操ってスルスルと揚げていく。
「いや、それじゃ面白くないでしょう! いかに自然に風を捕まえて揚げるかに
面白みがあるのであって…」
「これがボクの自然だよ?」
カルニアのクレームの意味がわからない、といった感じのシャル。
カルニアは額に手をやってやれやれ…としている。
「これなら壊れそうにないな…」
エリアスも凧揚げに参加。凧を置いて、猛ダッシュしている。
ずるずる引きずられていた凧も、やがて風に乗り浮かんだ。
「おお! これですよこれ!」
カルニアは珍しくエリアスの行動がお気に召したようだ。
下のほうがかなりボロボロになっているのはご愛嬌。
そしてその様子をフェイテルはやっぱり微笑んで見守っているのだった。
こま回しも予定に入っていましたが、チキレをする時間もありませんでした。
他のゲームにうつつを抜かしているからー。
先日ようやく気がついて、日記を拝見した方はランキング7位。
そりゃなあ。さすがだぜストーリーテラー!
でもボクが読むにはちょっと荷が重いぜ…(頭悪いからついていけない)
今日のランキング☆
第39位 1412
30台だー! 今回は頑張ったからなぁ。
無駄な長文にならないようにも頑張った。
やっぱり邪心がキャーキャーやっているほうが楽しいです。過去は重い。
と言いつつ、きっちり今回も過去入ってしまいましたが…
暗いの好きなのかなぁ…
アイコン枠を増やしました。
PL画像の後ろに1つ。島には出てこないので、そこで丁度いい。
すみかが合同宿舎なので、合同宿舎の主を出したかったのさ。
さて…描くか…
PR
COMMENT
TRACKBACK
トラックバックURL