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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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探索68日目
「~♪ ~~♪」
フェイテルがなにかを歌っている。

「む。力が湧いてくる…それになんだ、この気分は…?」
エリアスは不思議そうに手を胸の前でひらひらとさせた。

「あは、あはは、あっはっはっはっは!」
シャルではない。
シャル笑いをカルニアがしていた。
カルニアは笑いながら、楽しそうにくるくると回っている。

「………?」
そんな二人を見て、シャルは不思議でたまらなかった。
しかし、ふと気がつく。
自分には状態異常というものが全く効かないということに。
そしてカルニアは精神の状態異常にとても弱いということに。

「ふぇ、フェイテルサマ!」
慌てて声をかける。
しかしフェイテルは歌い続けたまま、にこにこしているだけだ。
「フェイテルさま~!」
持ち上げて、ぶんぶん振り回すが彼女に止める気はさらさら無いらしい。
とても気持ちよさそうに歌っている。
困ったシャルは横のデスティニーを持ち上げた。
「ねぇ、フェイテルサマは何を歌っているの?」
するとデスティニーは小首をかしげてこう言った。
「歌のことは詳しくは知らん。が、ファニーソング、というらしいぞ」
さっと青ざめるシャル。
そしてどこからか金だらいを持ち出すと、
思いっきりフェイテルに向かって振り下ろした。
「忘れろ!」

ぷち。

----------------
その頃、合同宿舎がある世界で。

フォーゼがにこにこと笑っていた。
その前で、赤髪の少年はひきつった笑みを浮かべている。
「り、リレー小説、ですか?」
少年はおそるおそる主に問いかけた。
「そうだよ。リードも誘ったから心配はいらない」
信じられない言葉に、少年、チモンの目は大きく見開かれる。
「あのリード様が? こんなお遊び企画に参加ですか?!」
「お遊びとは失礼な。ただの創作じゃないのだよ」
フォーゼは立ち上がって、自室に入ると、
抱えるくらいの大きさの宝箱を持ってきた。
そしてそこから1匹の獣をそこから取り出す。
「え゛。」
あまりに意味がわからない展開に、チモンは妙な声を出す。
「はじめて見る獣だろう? 彼女は、もともとこの世界に住んでいた獣らしい。
現在はフェイテル様の手によって、異世界の者だらけになってしまったが、
この世界になにも無かったわけではないようだよ」
そう説明された獣…見た限りでは普通の、
灰縞ネコは、ゴロゴロゴロ…と喉を鳴らした。
「彼女に、この世界でなにがあったのかを聞こうと思うのさ。
それを一人でやるわけにはいかなくてね。
なにせ私はこの国の王。研究にばかり没頭しているわけにもいかないだろう?」
「そうですね…」
チモンは頷いて、ネコに手を差し出す。
するとネコはチモンの顔を一度見上げたが、すぐに正面を向き、
ゴロゴロゴロ…と喉を再び鳴らし始めた。
会話が成立しない。
「あの…僕、この子の言葉翻訳、自信が無いのですが…」
そう思って、チモンは弱音を吐いたが、フォーゼはハハハ、と笑った。
「大丈夫。私の扱いもこんなものだから」
フォーゼはチモンの肩にネコを乗せると、一冊のノートを差し出した。
「これは昨晩までに私が彼女から聞きだした分だよ。次はチモンが
翻訳に挑戦してもいいし、先にリードに任せてもいい」
ネコは肩に乗せられたまま動かずに、ゴロゴロと喉を鳴らしている。
「予習で読んでおきたまえ。かなり長い話になりそうだ」
言われて、チモンは反射でこくりと頷いた。

------------------
むかしむかしのお話です。
わたしの住む世界は裏と呼ばれる世界でした。
ですから、表と呼ばれる世界もありました。
でも、二つの世界は干渉せず、それぞれ人々は豊かに生きていました。
物質的にも、精神的にも。

しかし人間というものには、欲望というものが不可欠です。
欲望が無ければ進歩しません。
ですから、欲望は悪いものとは限りません。
けれど悲しいことに、他人に害を与える欲望のほうが多いのです。

表の世界の王族は、その害と戦っていたそうです。
それでは、裏の世界の王族はなにをしていたか。
表層に出てこないために悪化した欲望を集めて、浄化をしていたといいます。
しかし本当は、浄化なんてできていませんでした。
集められた欲望はやがて意思を持ち、裏の世界の王族に襲い掛かりました。
王族は必死に抵抗しましたが、抑えきれず、意思を持った欲望は
妖魔を生み出しました。
そして、妖魔は表裏の世界を問わず、広がっていったのです。

表の世界の王族は、困り果てた裏の世界の王族に協力を惜しみませんでした。
共に妖魔と戦いはじめたのです。
その結果、表の世界の王女と裏の世界の王子が恋に落ちたのは、
当然のことだったのかもしれません。
蛇足ですが、彼らのように恋仲になった表の世界の人間と裏の世界の人間は
多かったとも聞きます。

それを面白く思わなかった人間も出てきました。
欲望の集合体はそれを見逃さず、その心理につけ込んで配下にしていきました。

戦いは熾烈を極めていきました。
結局は、表の世界の王族の力により、意思を持った欲望は封印されましたが、
犠牲者も多く出ました。
多く、というにはあまりにも多く――
二つの世界は、滅びたのです。

それではなぜ世界の歴史はそこで終わらなかったのか。

表の世界は、王族に依存して存在していたため、
王族の全滅により完全に停止してしまいました。
と言っても、裏の世界もさほど違いはありませんでした。
しかし、裏の世界の人間はかろうじて生き延びていました。
そこで裏の世界の王族の生き残りである王女は、
裏の世界の人々が発する邪な意思を受け止めることにしたのです。
その結果、再び妖魔を生み出すような存在が生まれてしまったとしても、
戦ってくれる人が出てくることを信じて――

そうして、何万年もの時が流れました。

------------------
フォーゼの丁寧な字で書かれた物語は、ここで途切れている。
チモンは目を通すと、ネコに目をやった。
「キミが、これをビスマス様に語ったのかい?」
するとネコはチモンに顔を向け、しかし興味が無さそうに、にゃあ、とだけ鳴いた。
「………」
チモンは考える。
こんな調子で、続きをこのネコから聞きだすことができるのかを。
その様子をフォーゼは面白そうに見ている。

「……りっ」
沈黙ののち、チモンから言葉が漏れたのは、約5分後のことであった。
「リード様に任せます!」
情けないと、顔をゆがませるチモンの空いているほうの肩を、
フォーゼはポンポンと叩いた。
「気にしてはいけないよ。
では悪いけれど、リードのところにその冊子とネコを持っていってくれないか」
「もちろんです!」
このネコから話を聞くことに比べればお安い御用。
チモンは思いっきり頷いて、体を90度前に倒した。
すると、ネコが下にずるずるーっとずり落ちる。
「あ」
機嫌を損ねたのではないか。
冷や汗をかきながら、チモンがネコの様子を伺うと、
ネコはチモンの肩にくっついたまま、変わらず喉を鳴らしていた。

(この子のこと、全然わからない…)
リードのいるであろう城下町に向かいながら、
チモンは自分の肩にいるネコを見つめていた。
(あ、この子、じゃない、のかも…)
昔話を語るなら、老猫かもしれない。
そう思ってネコを見るが、灰縞ネコはかぎしっぽをゆらゆら動かして、
チモンを無視しているかのようだった。
(でも童顔なんだよね…)
瞳が大きいのだ。それが幼いという印象を与える。
しかし聞いたところで答えないのだろうという諦めが、チモンを支配していた。
そこに聞こえた声。

「にゃ~ん?」

ぴくっ。
今まで大きな動きを見せなかったネコの耳がぴこっと動いた。
そしてチモンの肩から飛び降りると、一目散にある方向に走っていく。
慌てて追いかけた彼が見たのは、鮮やかなオレンジ色の毛並みの、ネコ、であった。


------ラスボスが出た裏で---------

メモメモ。

シャル:ボクはどうすればいいの?!
フェイテル:正直に生きればいいのよ。

また別世界話を始めたら、ラスボスが出たの巻。
これは倒せないよ…1ターンもつのかな。

今日のランキング。
器用:第7位 1772
日記:第17位 2126
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