忍者ブログ

定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

50日目:ダブルスパイサー
「おい…ロゼ…なにを言っているんだ…?!」
一番最初に反応したのはヴィテスだった。
ヴィテスの言葉でわれに返ったのか、気がついたのか。ガランもはっとロゼのほうを見る。
「…どういうことだ。説明しろ、ロゼ!」
ヴィテスは続ける。低い声で、静かに。だが確実に感情がこもった声だった。
「先輩を犠牲にした? 聞き捨てならない言葉が聞こえたわよ、ロゼ!!」
対してガランは叫ぶかのように言葉を発しながらロゼに詰め寄り、
「はぐらかしたりなんかさせない。私の目を見て答えなさい!」
ぐるぐるメガネを奪い取った。
「……!!」
ヴィテスは息を呑んだ。
その釣りあがった瞳は先ほどの声色以上に冷たい輝きを放っていたからだ。
「そのままです。僕は彼を知っている。本来はリッシュ=フリシーヌという、一人の超能力者にすぎないということも含めてです」
「どういう、こと、よ……」
詰まりつつも尋ねるガランにふう、とロゼは息をついた。
「理解はしているのに、尋ねるのですか」
「っ……」
ガランは返答に詰まる。
「まあ、僕は表だって動きはしていませんでしたからね」
そう続けるロゼの横にはウィスプ。ゆっくりと浮かび上がったそのエンブリオからは
『待ちわびたぞ、きょうだい』
そんな声が放たれた。

「一応、ウイングという名を持っています。母上ミーミルの命によりカシーア会に潜入していました。簡単に言えば、ダブルスパイですね」
淡々と語られる言葉。ウィスプに触れたロゼ、いや、ウイングは、光の翼を持った妖精のような姿に変化する。
「魔属に対抗する組織、ハイザー学園。その究極の姿がこれですよ。対抗するにはそれに近くなるのも仕方がない」
「アンタの目的はなに?! カシーア会の情報を抜き出すことだけじゃないわよね」
ガランが噛みついた。ただ茫然とするヴィテスは放置で。
「………答えると思っているんですか?」
それだけ言うとウイングは羽ばたき、二人から離れていく。
――ヴィテスとガランはそれを見ているしかなかった。
PR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
 管理人のみ閲覧
 
Copyright ©  -- ダブルスパイサー --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Material by 妙の宴 / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]