忍者ブログ

定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

カテゴリー「~story~」の記事一覧
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「久しぶりじゃねぇかよ、ウイング」
ボンバーが機嫌悪そうにウイングと呼んだ青年を見た。
「しかし、光の翼なんか背負って、マジでウイングの名に恥じない状態だな、オイ」
「それを言うなら、あなたこそ真っ赤になって、ボンバーって感じですよ?」
炎のような見た目のボンバーは目をすっと細める。
「ちっ、口の減らねぇ奴だぜ。任務を遂行してから行方不明になりやがって。こっちの苦労なんか、全然知りもしないんだろうな」
「あなたから苦労なんて言葉が出ること自体、驚きですよ」
さもおかしそうにウイングが言うと、ボンバーは彼に急接近し叫んだ。
「タインはな! 任務のせいで死にかかってるんだぞ!」
「…そういえば姿を見ませんね」
その場にいるのは、ウイング、ボンバー、そして唯一の女幹部、サウンディの3人だけである。
「お前が言うな。とりあえずミーミル様に報告を終わらせてこい、ウイング。
私はタインの様子を見てくる」
サウンディは言うと、さっさとその場から立ち去って行く。
「だ、そうですよ。では失礼しますね、ボンバー」
「ちっ」
一人残されたボンバーは、明らかに敵意のある目で二人が去って行った方向を見るのだった。
PR
しばしの間、ロゼは気絶していた。
目を覚ましたロゼは、変な夢を見たと言った。
だが、その内容までは言おうとはしなかった――
「やらせないよ!」
そのとき、ファミリアの声がした。
ぴゅん、と彼(彼女?)がヴィテスとロゼの前に飛び出すと、辺りに結界が張られる。

「この力は…!?」
ロゼが驚きの声を出す。
「そ。我がマスター、ガラン様の超能力だよ。どうやってボクが使っているかは内緒だけどね」
それからファミリアは面白そうな声色でボンバーに語りかける。
「この結界は簡単には破れないよ。カシーア会の精鋭の超能力なんだから。さあさあ、どうする?!」
ボンバーの眉がぴんと上がる。
「カシーア会の連中の力なんて恐れるに足らずだぜ。力技でぶち破ってやるよ」
さらに炎が強くなり、大爆発が起きた。衝撃が結界の中にまで伝わってくる。
「くっ…」
ファミリアが苦虫をかみつぶしたような声を出す。
「大丈夫?!」
「だ、大丈夫だ…」
ヴィテスは答えるが、ロゼの返事はない。
「フン! 大ミエ切った割には大したことないぜ。さすがに死んじゃいねーだろうが、気絶するくらいの衝撃は通ったってことだろ」
嘲笑うボンバーと、焦るファミリアの姿は対照的だ。
ヴィテスは状況を打破するために、攻撃することを決める。矢を構えた。
「おいおい、矢が俺に届くと思っているのか? 溶けちまうぜ」
「ハイザー学園で学んだことだが…力には2種類あるそうだな」
言いながらヴィテスは、相変わらず自分にまとわりついているナイトスピリットを掴んだ。
「自然界に存在するものを使役する『自然の力』と、自然界には存在しない『異質な力』」
「だからなんだ?」
ナイトスピリットを矢の先にくくりつけるヴィテスの行動が不審なのか、それとも言葉が不審なのか。ボンバーは露骨に顔をしかめ問い返した。
「同じ系列の力は影響を与えやすい。つまり、結界という異質な力は、異質な力にさほど強くない。炎も自然界では珍しい現象、異質な力なんだろう」
「だからなんだ?!」
苛立ちを見せるボンバーにヴィテスはナイトスピリットを向けながら。
「つまり、お前も異質な力に弱いということになるよな」
そして、弓の弦を引き。
「これは闇の精霊ではなく、魂という俺の常識ではありえない存在だ」
放つ。
「つまり! この矢が当たれば! 俺様は! 大ダメージだと言いたいわけだ! だがな! そう簡単に痛ェ!!!」
ボンバーが律儀に反応しているうちに、矢は当たる。
ヴィテスは呆気にとられた。相手の言うとおり、当たらなければダメージは通らない。が、反論しているうちに当たるとはなんとも間抜けな。
「……」
「クソが! 覚えてやがれ!」

ボンバーは撤退した。だが、微妙な空気がそこには残った。
焔の髪の持ち主…ボンバーはゆっくりこちらを向いた。その表情には以前のようないい加減さはなかった。
「お前ら…タインを殺そうとしたんだってな」
低い声。
それに対し、矢を放った張本人であるヴィテスはこくりと頷いた。自分の判断が間違いだとは思わなかったからだ。ただ、ロゼまで恨むのは筋違いだと考える。
それを告げると、ロゼは静かに首を振った。
何故だろう。
疑問が浮かぶが、敵を前にして考え事は危険である。そのためすぐに考えをやめたが、その理由がわかるのはそんなに近い未来のことではないのだった。

「あのとき、体勢が不利だったから逃げていたが、ちょい無理してでも殺しておくべきだったのかもな」
一歩一歩、近づいてくる者からは、殺気が放たれている。しかしヴィテスは不思議と冷静だった。弓をすっと構える。
「怖く、ないのですか?」
ロゼが尋ねる。
「……人の心が、読める恐怖よりは、怖く、ない」
そう答えてみたものの、それだけなのか、正直わからなかった。
この言葉は相手にも届いていたのだろう。
「俺の殺気より怖いものがあるだと?! なめやがって!」
激しい炎が二人を襲う……!!
ナイトスピリットがヴィテスの周りを飛び回る。
「……エンブリオの世話は、ロゼがやる。俺のところにいても、ネクターはもらえんぞ」
こう、ヴィテスが不機嫌そうに言っても闇の魂という名のエンブリオは飛び回る。
「………」
苦虫をかみつぶした顔でそれを見つめている。

ファミリアを先頭に一行は荒野を進んでいた。
暑さと乾燥でロゼはぐったりである。
「脱水症状になってしまいそうです。水…」
「いくらなんでも、熱すぎる気がするんだが」
ヴィテスも、「暑い」ではなく「熱い」というあたり、だいぶ参っているようだ。
(ころころころ…)
ウィスプはマイペースに転がっているが、その先を見て、イヴのコピーが声をあげた。
「あれは…?!」
その視線の先には、見覚えのある赤い焔のような髪の後姿があった。
Copyright ©  -- ダブルスパイサー --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Material by 妙の宴 / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]