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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

カテゴリー「~story~」の記事一覧
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「断る……っ! 魔に手を貸すつもりは、ない!」
「ヴィテス……?」
差し出された手へ拒絶反応を示したヴィテス。
その声の強さにロゼは驚きの声をあげる。
「なにを言うのかと思えば……なにボケかましてるんだ、サウンディ。俺たちはこんな連中の力を必要としてないっての!」
ボンバーも異論を唱えた。だがサウンディと呼ばれた女性は黙って手を差し出したままだ。
「……なぜ、その手を引かない!」
それに不快、否、嫌悪を剥き出しにしてヴィテスは弓を構える。それでも尚、手を差し出していたサウンディだが、ヴィテスが弦を引いた地点でようやく下ろした。
「ここまで嫌われるとはな」
「当たり前だ! お前は立場をわかっているのか!!」
ヴィテスの声は、叫びの域にまで達していた。

「そこまで感情をあらわにするタイプには見えなかっただけだ」
ぽつり、と洩らしたサウンディ。
そしてくるりと背を向け、歩き出す。
「お、おい。隙だらけだぞ!」
ボンバーは慌ててその背中側に立ち一同を睨みつける。
「よくわかんねーから今日は帰る! おいサウンディ、ちゃんと説明しろ、さっぱりわけがわからんぞ!」
「………」
殺意を放ったままヴィテスは去る存在を見送った。


そして、気配が消えたあと、呟いた。
「強くならなければ……」
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「!?」
声に反応して振り返れば、当然のようにボンバーがそこに居た。
だが今日は一人ではない。ボンバーもタインも長髪だが、それにも増して髪の長い、身体のラインからして女性と思われる人物が隣にいる。
『彼女』は目を長い布を目隠しに使っていた。その布には目が描かれており、不気味さを覚えさせる。
「サウンディ。で、この二人に用があるってなんだよ?」
ボンバーが『彼女』…サウンディに声をかければ、こくりと彼女は頷いて、ヴィテスとロゼに手を差し出した。

「特別な力を持つ者たちよ。私たちと一緒に来ないか」
「もうそろそろ信用してくれた?」
唐突にファミリアが言った。
「いいかげん、情報を伝えないと、有用な情報だったのに無意味になっちゃう!」
「………」
それに冷めた視線を送るヴィテス。
「なっ、なんでだよ! ホントのコトでしょ?!
あの異世界の子がどこに行ったのかの情報を教えてあげるって言ったのに信じてくれないから、同行してるんだ。
早く戻らないとガラン様の怒りが燃え上がるんだよっ!!」
必死な悪魔の姿にヴィテスは首を振った。
「駄目だ」
「なんでさ?! 心配なんじゃないの?!」
理解できないよ、とぶーすか言うファミリアにヴィテスはぼそりと言う。
「ロゼが長い間気絶していたのは誰のせいだ?」
「……」
考える、もしくは思い出そうとするファミリア。
「えっと、ボンバーってのが襲ってきて、ガラン様の力を借りたけど押し負けて…」
「そう、お前のせい」
一瞬納得しかけた悪魔。が、すぐにヴィテスの顔に貼りついて抗議した。
「なんでやねん! 襲ってきたボンバーが悪い!」
「いや、挑発したお前のせいだろ」

すぐ近くで声が、した。
ロゼがボンバーに倒されて10日以上が過ぎた。
ようやく回復に向かってきたようで、口元の笑みが戻っている。相変わらず、ぐるぐるメガネが邪魔で表情がすべて読めるわけではないのだが。

ロゼが倒れていた、ということは、すなわちヴィテスが行動するメンバーと話をつけていたわけだが、これがまた大変であった。
ヴィテスは根暗である。おまけに超能力のせいで人間不信になっている。
そんな人間が普通に会話ができるわけがないのである!

というわけで、長い長い10日間だったのだ。ヴィテスにとっても、同行者たちにとっても。

ロゼはロゼで、意識が戻ったらエンブリオが2体増えていて驚いた。
まずクアール。
猫である。ただの赤い猫である。
それなのに、ヴィテスがやたらと嫌っている。その刺々しさにロゼはちょっと引いた。
もう1体はメルウェル。
2本角を生やした少年である。
しかし、「私は本当は女なんだよ?」とか冗談なのかなんなのかわからないラインの発言が絶えない。ファミリアが「ズボン脱がせてみようか?」と聞いてみたら、浄化されかかったとかなんとか。

「平和だったんですね…」
ロゼがしみじみ言うと、そうだな、とヴィテスは答えるしかなかった。
10日間、ボンバーたちとの戦闘はなかったが、逆に言えばイヴスメルの情報が新しく入ったわけでもないのだ。
「どうしているだろうか、彼女は」
暗い顔でヴィテスは言う。最悪の事態が頭をよぎった。
「だいじょうぶですっ」
すると下から声がした。イヴのコピーだった。
「わたしが動いているから、マスターは無事ですっ!」
「……そうだな」
絞り出すようなイヴのコピーの声。無理をしているのは心が読めずともわかった。だからヴィテスは追及はせずに頷くだけに留めた。
ざわり。
ざわり。

胸騒ぎがする。
この不安はなんだろう。

いつからかはわからない。
ときどき、自分が自分で無いような感覚を味わうんだ。

怖い。
人の心が見えてしまうようになった、あのときのような。
そんな恐怖を、感じる。

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