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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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探索42日目
「さて、やりますか」
カルニアが言い出した。その表情はいつものように無邪気な子供のものに見える、
見えるだけ(重要)なのだが、目は真剣だった。
「……」
その様子に、茶々を入れられず、シャルは何をするのだろうと
しげしげと彼を見つめるだけ。
「なにをするんだい?」
いつもと空気が違うなんて、会って数日しか経っていないフォーゼにはわからない。
普通に問いを投げかけた。
「ガンマを再生させます」
「ほう」
10日前、フェイテルを倒そうとした彼。この島にいることで、フェイテルの
特殊能力が完全に消えていると読み違え、消えてしまった、カルニアの大切な部下。
「馬鹿な子ほど可愛い、と言うじゃないですか」
「ふーん。やっぱり雑用はいないと不便だったんだぁ」
シャルはそう茶化すが、カルニアは首を振り、
「あの子には雑用はさせていませんよ? 
この合同宿舎の家事を一手に引き受けているのはこの私です」
と、威張るところではないのに、胸を張ってみせた。
「しかしお前。創造の力は多くのエネルギーを使うのだろう? 
またどこかに迷惑をかけるつもりなのか?」
エリアスは警戒の色を彼に向ける。
「普通の物質を作るよりは楽ですよ、とても。
ただ、フェイテル様が許してくださるか、が問題です」
「ここでやればいいじゃない」
「ダメです。ガンマが死んだのは遺跡内でした。だから、そこでやらないと、
元には戻りません」
カルニアは目を背けて言った。
わかっているのだ。
もし、ガンマが消された遺跡内で再生させても、また同じ魂が宿る可能性は限りなく
低いのだ、と。
フェイテルは言っていた。
魂はばらばらに吹き飛ばしたと。だから全く同じガンマの再生は不可能だと。
「…プラが泣いてたっけ」
9日前。合同宿舎内で、プラストスというホリレスが泣きまくっていたのを
思い出し、シャルはぽつんと呟いた。
「……でも、私は諦めません。意外としぶとく生き残っているかもしれないと
思って、あの場所の近くで再生儀式を行います」
真剣な声色で言って、一呼吸。
ころっといつもの口調に戻って、カルニアは言った。
「あの子のしぶとさは並じゃありませんから♪」

フェイテルに遺跡内に呼び出してもらったカルニアは、
ガンマ再生の旨をフェイテルに伝えた。
指をそっと口元に運んだ彼女は無駄よ、と言ったが、
悪あがきをしてみたいんですよ、と答えたカルニアを止めたりはしなかった。
人が一人横たわることができそうな場所を見つけて、そこを拭くと
ちょこちょこついてきていた他の邪心たちを追っ払った。
「えー、見てみたい」
「興味深いじゃないか」
エリアスの姿は無かった。相反する自分がいれば、うまくいくものも
うまくいかない。それくらいはわかる頭である。
「気が散ります! それともなんですか? 
私にエネルギー提供してくれるんですか?」
「横でじーって見ていていいなら、あげるよー」
意外な返事。
でも、とても迷惑な返事。
「思いっきり邪魔です」
そう言ってから、ぽん、と手を打つ。
「全部吸い尽くして、後ろに捨ててあげましょうか?」
「なにそれひどい」
シャルはぷうと頬を膨らませた。はっはっは、とフォーゼが笑っている。
冗談だと二人は思っていたのだ。だが――
カルニアはぽむ、と二人の肩に手を置くと、
本当にエネルギーを吸収しはじめたのである。
「ちょっと、キミ!」
「ぎゃああああん!」
声をそれぞれ上げ、シャルとフォーゼはようやく離れた。
ぽんぽん、と手を叩いたカルニアは満面の笑みで。
「ごちそうさまです♪」
――と、言った。

「まったくもう。カルはジョークというものがわからないんだね。ぷんすかぷん!」
「もっと近くで見たいのになぁ…」
10メートルほど離れた木陰に腰を下ろし、二人は観察モードになっていた。
カルニアはゆっくりと、くるりくるりと回っている。
「へー。カルも踊るんだ」
それに釣られて、ふらりふらりと邪霊達が集まってきた。さまざまな種類の邪霊。
「あ、あれ、おいしそうだね」
フォーゼは自分と同属性の邪霊を見つけて、言った。
シャルは、
「みんなおいしそう!」
雑食である。
カルニアは完全に意識を集中させているため、彼らの声は聞こえていない。
ふいに、欺瞞属性の邪霊が消えうせた。
と同時に、吹き上がる邪悪な波動。
そこには、青年の姿に成長したカルニアがいた。変わらぬ深紅の髪と髪型。
無機物と有機物を象徴しているという、肩の飾り。服は赤と黒に染められ、
金のラインが入った、ゴテゴテのものである。
「久しぶりですね、この姿も…」
ぽつりと呟く。もっとも、自分のこれからやることで頭がいっぱいの彼。
誰かに聞かせようと思って呟いたわけではない。
「がー!」
カルニアのペットのがおが逃げてきた。
「おおう」
シャルがキャッチする。
「どったの?」
「がうがー。おおなのがうがー、がお、ぐぐげぐ」
相変わらず謎の言語を話す。しかしフォーゼはこくこくと頷いて、
「マスター。大人のマスター、がお、いじめる、か」
翻訳した。
「さすが獣人族!」
シャルはぱちぱちと手を叩いた。
フォーゼは特別な反応を示さず、がおを撫でてやった。

カルニア、いや、欺瞞の邪心ヴァイザは、さらに邪気を高める。
自らの一部となったそれを切り取り、前の台に横たわらせ、分身を生成しはじめる。

それを、シャルたちとは反対方向の、意外と近い場所で見ていた二人組がいた。
「カルニアがオレサマに執着してくれてるとはな。ありがてぇぜ」
「………」
茶色の髪を切りっぱなしにしている青年と、
ベージュのフードを深く被っている少年。
「アンタがここまで連れてきてくれたんだ、ちゃんと戻ってやらねーとな」
「……」
青年はぺらぺらとしゃべるが、少年は何も言葉を発しない。
それに関しても、青年は全く気にしていないようだった。
「あばよ。またな」
それだけいうと、青年はジャンプした。
霊体だった彼は、ヴァイザの儀式のほうに吸い込まれていく。
「…………!」
ずっと目を閉じ、集中していたはずのヴァイザが眉をぴくりと動かした。
そしてそっと目を開けた瞬間、台座が光を放つ。
ヴァイザは、見た。
茶色の髪の青年が、自分の作っているモノの中に入っていった様子を。





「いやー、疲れましたねぇ」
カルニアはそう言って、笑う。
台座に寄りかかって、満足そうにニコニコと笑っていた。
それは、儀式が成功したことがわかっているから。
「……」
「…… ねぇフォーゼ。ボクたち、近づいて安全だと思う?」
見学組はカルニアを見ていたが、ほぼ同時に顔を見合わせた。
「やめとけって」
久しぶりに聞く、軽い声。
「今のこいつに触ったら、さっきみたいに喰われちまうぞー」
ケラケラケラ。
ガンマの軽い、笑い声。
「わー、ガンマさん復活したてなのに絶好調!」
シャルが茶化す。
「いやいや。この台座から降りるの、オレサマ、スゲー迷ってる。
降りたら喰われそうで。せっかく復活したのにそれはねーよと」
「間違いなく、僕の知っているガンマ君だね。フェイテル様の読みは外れたね。
この島は面白い」
そう言って、フォーゼは目を閉じる。
「そうですね」
カルニアが同意した。
「ただ…フェイテル様は我侭だから、自分の見たものが外れるこの島なんか嫌いだ。
消えてしまえ、ってやりかねないのが心配なのですが」
複雑な思いが、カルニアを支配していた。
フェイテルの――プライド。
全てのものの宿命を見ることができるという能力だけが、
彼女に備わっているものだった。
しかしそれは彼女の支配下にある世界だけで、様々な世界出身の者達が集まる
この島では、うまく見れないのであった。
フェイテルは笑顔を浮かべているが、心中穏やかでない可能性が高いと、
彼女の過去を聞いたことがあるカルニアは思う。
彼女が笑顔を振りまくのをやめたとき――それを考えただけで恐ろしい。
「ダイジョウブだよ」
シャルは言った。
「今までで十分わかってるじゃない。この島ではフェイテルサマ、
なにもできないよ」
「そうですね」
「でもね。可能性があるから注意くらいはしておいたほうがいいかもね」
そう、フォーゼは言うと、立ち上がった。
「さ、一回合同宿舎に戻してもらおう。ガンマ君も休みたいだろうしね」

「がんまー!」
しかしガンマは、合同宿舎では休めそうになかった。
「がんま、がんま、がんま、がんま、がんまー!」
「やめてくれ。オレサマ、自分の名前がゲシュタルト崩壊しそうになってるんだが」
そう言うと、一旦、プラストスはガンマから離れた。
しかし安心したのもつかの間。
今度は正面から抱きついて、
「がんまー。よかったのー。よかったのー!」
と泣き出したのである。
「げげっ」
ホリレスの涙は、聖水みたいなものである。邪悪な存在のガンマにとっては毒だ。
ジューっと、彼の体から煙が立ち上る。
「痛ぇ、痛ぇ!」
必死に叫ぶが、プラストスには聞こえていないようだ。
「あーあー」
「懐かれると大変なんだねぇ」
「任務だと思って諦めなさい」
3人の邪心は、他人事だ。
「嫌われるぞ」
そこへずばっと入る、合同宿舎の主、つまりプラストスの兄の声。
「…なんで?」
涙目のプラストスは、オルドビスへ問いかけた。
「痛がっているじゃないか。それなのに、それをやめないなら、
嫌われても仕方ないな」
「やー!」
そして再び泣き出す。
「はあ。なにもわかっていない…」
これ以上はフォローするつもりもないらしい。
頑張れ、ガンマ。


――おめでとう――

前期、カルニアが所属していたパーティメンバーが某所の初制覇をしました。
おめでとうございます!
やっぱりアレ? ボクが足をひっぱってたん?(笑)
思い切って抜けてよかったー。足手まといになっているのには気がついていたから。

今日のランキング♪
第16位  2068
今回は久しぶりに気持ちよく長く書けたからね!
ガンマがいなくなってもう11日も経っていたのか。意外。

しかし1~5位は接戦にもほどがある。
タカシさんは、文章削ったと思う。入りきっていない~って感じだった。
タカシさんPLさんとガッツリお話しさせていただいたので、
フェイテルで残り少ないけれど、交流できたら、嬉しいなぁ。

あと2回、遺跡内に滞在してから、遺跡外で職人になる予定です。
できれば50回より多く延ばしてほしい。がしゃ髑髏に挑戦してみたい。
あと呪術25とかさ。あと15かいな。
そもそも訓練枠が足りない。
あ、あと魔衣もこれから上げますよー。
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