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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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探索54日目
デルタの、昔話。
--------------
昔々。
ある集落に一人の少女が住んでいた。
歳は14。しかし大人びて見えたらしい。
特徴は深紅の髪。本人も気に入っていて、長く、長く伸ばしていた。
そしてなにより、血が好きだった。
集落では牧畜をしており、牛や豚が解体されることがよくあった。
それが行われることになると、どこからともなく聞きつけてきて、
少女はその様子を、目をきらきらさせて見ていたという。
なので集落の者の中には、彼女がいつかなにかをやらかすのではないかと
心配していたらしい。

そしてちょっとした事件が起きた。
集落の中で飼われていた小動物がバラバラにされて発見されたのだ。
ちょうど時期は冬で、食べ物が少なくなったころだ。
可愛がっていたものが殺されて、人々は悲しんだ。
しかし、少女だけはにこにこと笑っていた。
そこで、犯人はその少女ではないかという噂がたった。
最初は口々に囁かれていた程度だったが、実際に聞きに言った者が出たのだ。
その結果、彼女はあっさりそれを認める。
「このままではみなさんが餓死してしまうでしょう?
 ですからわたくし、食料を調達してきたのですわ」
そう言った彼女は背に籠を背負っていた。
そこには野生の動物が血みどろになって入れられていたのだった。

もともと少女は両親を失っており、親しくしている集落の人間もいなかった。
だから余計に不気味に見えたのであろう。
集落の者たちは、彼女を露骨に避け始めた。それでも――
彼女は笑っていた。

次第に状況は悪化する。
行方不明者がぽつりぽつりと出てきたのだ。
昔から行方不明になることは無かったわけではないのだが、
その頻度が上がってきたのである。
それも少女がやっているのではないかと、人々は囁き始めた。
その噂に対しては、少女は首を振る。
「わたくしは、人に手を出したりはしませんわ」、と。
それでも今まで彼女がやってきたことがやってきたことだったので、
彼女への疑いのまなざしは余計に厳しくなった。
結果、もう、集落へ入ってくるな、と宣言されたのである。
それを聞いた彼女は――やはり動揺することなく、笑っていた。

それから彼女は集落の外へ住処を作り、そこに住んでいた。
そして発見する。
住処の近くに一匹の黒猫が住んでいることを。
ある日、外の用事があったのか、一人で集落から出てきた人がその猫に
吸い込まれていく様子を。
彼女は、立ち上がった。

---------------
「ちょーっと待って!」
シャルがデルタの話に乱入した。
「その後の話、フェイテルサマに聞いたことがあるかもしれない。
 少女が黒猫に近づいて、食べられちゃって、おなかのなかでその猫の分身と話し
 して、合体☆しちゃうんじゃない?」
それを聞いて、デルタはまあ、と口に手をやる。
「簡単に言うとそうです。フェイテル様、そんなこともご存知…
 いえ、ご存知でしょうね」
納得したかのように呟く。
「でもね、ボク、その話には疑問があって。
なんでそんな凶暴な猫のことを、少女は好きだって言ったのか。
それがわからないんだ」
そう言って小首をかしげるシャルに、デルタはくすくす、と笑いを漏らした。
「簡単なことですわ。少女は本当は人が大好きだったのです。
その人たちのために狩りをしたりしていたのですから。
そしてあの黒猫は寂しくて人々を捕らえていたのですけれど、
普通に生きていける環境を作り出していた。
だから、黒猫も人のことが好きなんだと解釈して、自分と変わらない、
うまく表現できないけれど人が好きなんだ、この子なら自分が伝えられなかった
人々への気持ちをわかってくれる、と思ったのでしょう」
まるで自分のことのように話すデルタに、シャルは首を傾げ、
フォーゼは食べちゃえば良かったのにと呟き、エリアスは悲しげに目を伏せた。
「ところでフェイテル様はどこまでお話しをされたのです?
 おそらく最後までは話しておられないと思うのですけど」
その問いには首を傾げたままのシャルが答える。
「合体☆のところまで。そのあと、少女はどっかに飛ばされてしまいましたさー、
って言ってたカナ?」
そう言って首を正位置に戻す。銀の髪がさらりと揺れた。
「………」
デルタはその様子を見て、しばし沈黙した。
「… 続きを話す前に、ちょっとわがままを言っていいですか?」
「ん? なに?」
シャルは純真無垢な子供のように澄んだ目で問い返す。
「…… シャル様の髪、編ませてくださいませんか?」
その声は、先ほどとは打って変わって、いや、普段からは全く想像できないくらい、
小さな声だった。
「いいよ? でもなんで?」
「秘密ですわ」
「ま、いっか。痛くしないでね?」
デルタがまともに答えられなかったのに、シャルはあっさり了解して、
デルタの横に歩いてきた。
「ありがとうございます」
そしてシャルの髪に手を伸ばす。
銀の髪を編み出したデルタは、普段の笑顔とは質の違う、幸せそうな笑みを、
浮かべていた。

「では続きをはじめましょうか」


――デルタってさ。――

デルタはもともと、ヴァイザをラスボスとする物語の、悲劇のキャラでした。
ヴァイザを裏切り、魔物に変わって暴走して死ぬ、と。
それがガンマに前世ができた影響で、コイツ(←という扱いでした)にも
前世が、よっぽど酷い前世があるということになりました。

あるゲームに前世を考えて作って放り込んだはいいんですが
あれれ…?
まあ、ゲームの世界観的に、悪人にはなれないんですよ。
でも逃げ道を見つけ、バッドエンドに進めそうなので、それを次回書きます。

今回は、53回更新でチキレ負けしたのを貼っただけです。
メッセは全部落としています。
いまいち気が乗らず、チキレすらしないで寝ていました。
だけど…

今日のランキング。
第13位  2161

更新時間も早かったので、みんな落としたのかな?
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