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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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探索58日目
「ベータ。お前に聞きたいことがある」
ぽつりと、エリアスが呟いた。
「何故、そこまでカルニア…いや、ヴァイザに尽くしていられるのだ? おそらく
お前は、奴の非道な行いをずっと見てきていると思うのだが。それなのに何故」
そう問いかけると、浅黒い肌の長身の男は、エリアスのほうを振り向いた。
「騎士とはそういうものだからだ」
迷いのない瞳が、まっすぐにエリアスを貫く。
「…」
エリアスは言葉が返せない。
「貴方はもともと冒険者か傭兵だったか…でも今の貴方は騎士。なにがあっても、
 今、仕えている王に従わなくてはならないのだ」
そう。
エリアスは、合同宿舎のある世界では、ゲイルナーディアという国の女王に仕える
8番隊隊長なのだ。
「騎士とはそういうもの…」
口の中でベータの言葉を反芻するエリアス。しかしふと自分の考えを発見して、
視線を上げた。
「だが、王が明らかに間違っているとしたら、それを指摘するのも部下の役目では
 ないのか?」
「明らかに間違っていると判断しなかった。私は」
ベータの言葉には迷いがない。
「なぜそこまでヴァイザを信用する…人を追い込んでは復旧させ、再び追い込むと
 いうことに、少しでも義があったとでも、本当に思っているのか?」
迷いが多いエリアス。そこまで自らの道を確信している相手にどう対応していいのか
わからない。
「……義は無いだろうな。ただの復讐だ」
沈黙の後、ベータは苦々しく言った。
「復讐…全く関係ない人々を苦しめるのが復讐か? あいつが邪霊になった経緯は
一応知っている。だが、それはあいつを罠にかけた人々だけが滅びを経験するだけで
充分だろう!」
「貴方は純粋な邪心だからわからないのだろう。罠にはめられて、人類の全てを
 憎しみの対象にしてしまう、人の弱さが」
人の弱さ?
エリアスは口だけを動かしてそう問い返した。
「私も主から貴方の邪心としての覚醒の話を聞いている。とても不思議だった。
 なぜ、貴方が守ろうとした故にとった行動を責めた相手を憎まなかったのかと。
 そればかりか、わざわざ邪心となって、人に倒され、消えてしまおうと
 思ったのか、そのために配下や弟とも呼べる存在を殺せたのか」
エリアスの生い立ちは特殊だ。
邪霊シェイドとして生まれ、体と心を分離され、体はシェイドの配下たちがなんとか
取り返したものの、心は人に転生されていた。
その心がエリアス。
邪霊の復活を聞いて、それを止めるために冒険者になり、それから心の転生を
行なった一族と出会い、傭兵になって――だが、ベータの言うとおり、
雇い主を守るため、敵からのスパイを殺し、絶縁された。
その後、シェイドの部下から真実を知らされ――とった行動は
とても怪奇なものであった。
「…わからない…… 思ったとおりに行動した、それだけだ…」
エリアスは視線を落とし、力なく言う。
「おそらく部下がおとなしく貴方に殺されたのは、忠義ゆえ。一騎士としては、
 その部下の思いを無駄にはしないでもらいたい」
「無駄にはしない…?」
エリアスは顔を上げた。
「部下は、邪霊シェイドの復活を望んでいた。しかしわざと殺されることを貴方は
 選択した。それを部下はおとなしく飲んだのだろう? あくまで、主である貴方の
 ために」
「……」
「今、貴方が生きているのは、フェイテル様かデスティニー様、いずれかの意思
 だろう。結果的に貴方の意思は通らなかった。だからこそ、貴方に生きてほしいと
 願っていたはずの部下のことを考えてほしい…
 少し話しすぎてしまった。無礼を詫びる」
エリアスはぼう、とベータの話を聞いていた。
頭の回転が悪い彼には、少々難しい話だったのだ。
「俺を信用…。ずっと敵同士だったから、そんなことを彼らが考えていたなんて
 思いもしなかった。確かに俺は今、生きている。それに応える…
 俺はどうしたらいいのだろう?」
ベータは首をかしげた。無表情のまま。
「それでは困る。主がしっかりした道を持っているからこそ、部下は主に忠義を
 尽くせる。今、貴方に邪霊の部下はいないが、人間の部下はいるだろう。
 その者たちのためにも、自分がどうあるべきか、自身の力で決めてほしい」
エリアスはじっとベータを見ると、そうか、わかった。と答え、自分の話に
つきあってくれたことに礼を言い、立ち去った。

「もし…俺にあのときの部下たちが帰ってきたら…なにをしてやれるだろうか」
「今は女王に仕えていることだけを考えていた…8番隊の皆が俺を信用して
 ついてきてくれるなら、その気持ちは裏切ってはいけない」
ひとり、夜の丘の上でぽつりぽつりと呟くエリアス。
ふと上を見上げると、小さな双子星が見えた。


――ついに来たー!――


正直、落とす気満々だった日記です。
だから読んでいただいても、いまいちわからないと思います。
言いたいことは書いたつもりですけれど。

しかし!
最後になんとなく書いた双子星が間に合ってよかった!

来たのです。

「邪神降臨」

これでまた絵を描いて取り込まないといけないね!
正月絵もまだなのに間に合うかな!
明日明後日、がんばり時です。

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ウン、この位置が定位置になりそう。落とさなければ。
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