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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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探索63日目
ガンマがフェイテルをじっと見ている。
ひたすら見ている。
また、壁の陰からデルタもじっとフェイテルを見ていた。

「どうしました?」
視線に気がついて、フェイテルが問いかけた。
「いんや」
ガンマは否定の言葉を発した。
しかし、心中は穏やかではないのだ。なぜなら過去のフェイテルは
ガンマの前世をめちゃくちゃにした犯人なのだから。
そしてデルタも例外ではない。
普段は動揺など等、負の感情に傾くことのない彼女も、フェイテルによって
過酷な宿命を背負わされ、狂って2度も死んだ。
だからいくら
「転生したんだ。作り直されたんだ。キレイになったんだ」
と言われたところで、はいそうですかと受け入れられませんとデルタは考えていた。
もっとも、ガンマの場合はもっと憎しみ深く、こいつに昔のことを教えて
自分に反省の気持ちを抱いてほしいと思っている。
ただ、それを教えて昔のフェイテルに戻るのではないかという恐怖心もあった。
だから心中穏やかでないまま、彼女をじっと見つめていることしかできないのだ。

「なにか言いたそうな顔ですよ?」
彼らの苦しみなど知らないフェイテルは、純粋な瞳でガンマに言う。
それがガンマのイライラを加速させた。
「なんでもねーって言ってるだろ!」
言葉を思わず荒げ、我に返る。
「悪ィ、悪ィ、オレサマとあろうものが。とにかくなんでもねーよ。おいデルタ。
 ちょっとそこらへんに狩りに行こうぜ」
デルタが素で感情の起伏が鈍いのに対し、ガンマは感情の起伏は豊かなのだ。
しかし最近の彼はそれを抑制する。
最近――前世の記憶が戻ってから。
前世の彼は、自分の本心を隠して120年生き抜き、死んだのだから。
それが癖になってしまっているのだ。
「あら。私の存在に気が付いていましたの?」
のんびりとデルタは返す。
「あったりめーだろ。オレサマを誰だと思ってやがる。
 神経とがらせるのが職業のガンマサマだぜ」
デルタの返答を待たずにガンマは言い切った。
「まあ」
対してデルタは手を口元に運び、のんびりと感想を漏らす。
「その代わり力はあまり無いガンマ様ですわね」
「うるせーぞ」
ちょっと拗ねた声色にくすくすとデルタは笑う。
「大丈夫ですわ。力も魔力も、私ありますから。おまかせくださいませ」
「それで怪我したら、血を操って回復するんだろ? 気分悪いぜ」
デルタは血の魔女。敵の血液を操り爆破させたり、操ったりすることができる。
以前は相手の血を一度啜らなければいけなかったが、
ヴァイザの邪心化と部下の再構成に伴い、その制約もない。
また、血液を操ることで、肉体の再生を早めることもできるのだ。
「あら。貴方は突っ込むのがお好きでしょう? ならば回復役は必須ですわ」
「避けるからいらねー。お前も暴れていいんだぜ」
これはガンマなりの気遣いだった。フェイテルに対する苛立ちを、
発散してもらいたい、と。
「まあ。それではお言葉に甘えて、敵を切り裂きますわね」
デルタは1本のナイフを取り出して、にこりと微笑んだ。

ヴァイザをはじめとする、邪心無しで遺跡に入るのは初めてのこと。
「それでも、私たちは負けませんわ」
デルタは強気だった。自分の実力が100%出せれば、敵などほとんどいない。
それはガンマも同様だった。
鉱石を自在に操り、命すら与えてしまうことができる彼。
本人の身体能力と相まって、敵なしである。
ただし、100%出せれば、の話だ。
この島は特殊で、遺跡内では自分の力を出すことができないと言われていた。
その代わり、自分が知らなかった技を覚えることもできるのだが。
そこがいいと、カルニアもフェイテルも言ってこの島にやってきた。
しかし振り回されるほうにしてみればいい迷惑である。
「さあて…オレサマ、どれだけ弱体化してるかなァ?」
皮肉を言いつつ、ガンマは持ち歩いているウエストポーチから鉱石を取り出した。
それはあっという間に彼愛用の薙刀型になる。
「大丈夫ですわ。私ほどではないはず」
デルタは言いながら、そっと目を閉じた。隙だらけである。
「………」
それを見て、ガンマも真似をすることにした。
二人は、草原に立ち尽くして、隙を見せ、弱い獣でも自分のほうが強いと
錯覚される状態になっていた。

そのころ。
「ガンマとデルタがいません! ベータ、がお、なにか知りませんか!?」
カルニアは大騒ぎしていた。
その横でシャルがぷうと頬を膨らませる。
「なんでがおに聞くの?! がおよりはよっぽどボクのほうが情報知っている感じが
しない?」
「がおがお」
がおも頷く。
「あなたはご存知でも教えてくれないじゃないですか! あるいは嘘を言うか!」
「やだなー。カワイイ弟に、そんなことするわけないじゃない!」
あははははは!
シャルは普通に笑った。(いつもは呪いの効果がある笑いをするのだ)
しかしカルニアは疑いの眼差しを向けるだけだ。
「とにかく! この島ではなにがあるかわかりません! この島で覚えたことしか
 できませんし、あの二人が壊れたら、修理するのは私なんですよ!」
「なんだ自己中」
不機嫌になるシャル。
相変わらず自分の部下をそんな風にしか見ていないカルニアを
軽蔑している感じである。
「私は事実を言ったまでです」
しかし全く反省の色が見えないカルニア。
「とにかく探します! 島の中を探すの、手伝ってくださいませんか!?」
そして協力を求める。
「しょうがないなぁ~」
それなのに、しぶしぶながらも応じるシャルは、やはりカルニアのことが
かわいいのだろうか。

そのとき、声が聞こえた。
「大丈夫だ。奴らは今、血みどろになって弱い者いじめをしている」
デスティニーだ。
彼と同じ大きさぐらいの歯車を体の正面に浮かべ、
それを見ながらデスティニーは話す。
「わお。運命を見守ることがもうできるようになってる!」
シャルは感激したのか、素っ頓狂な声を上げつつ言った。
「楽しそうよ」
フェイテルも小さな水晶を抱え、弟に続く。
「進化してるねぇ~」
シャルはウンウンと頷くと、小さな司二人をわしわしと撫でた。
「そうですか…ストレス発散していたんですか」
ほっとしたように、カルニアも言った。
「迎えに行きましょう!」
そう提案するが、シャルはふるふると首を振った。
「放っておいてあげようよ。それにキミ、商売あるんでしょ?」
「そうでした~!」
商売を引き合いに出されて、ころっと態度を変えるカルニア。
なんだ、やっぱりお金優先か、とシャルが言う前に、彼はこう続けた。
「シャル、お暇でしょう? 探してきてくださいよぅ」
「だーっ!」
シャルは頭を振って叫んだ。
「立っている者は兄でも使うのか! もういい! カルなんか知らない!
 呪いかけちゃう!」
そう言って呪文を唱えだす。カルニアは涙目で逃げ回る。

その様子を見て、デスティニーは呟いた。
「呪い好きを利用しようとする。呪い好きと知っていて。
 それはすなわち自ら望んだ運命。放置だな」
「ええ。放置しましょう。あれも兄弟のコミュニケーションよ」
フェイテルはそう答え、にっこりと微笑んだ。

1週間、りすさんの体調不良で延期になりました。
でもあっという間にすぎて、結局チキンレース開催。おめでとう!(ヤケ)
次の1週間で、ネタが来るか自信がありません。

作品のオチは決まったんだけど…


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