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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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探索69日目
「にゃあ」
「にゃーん」
2匹のネコは尻尾を立てて挨拶してから、じっと見つめあった。
そして、しばらくの間(ま)。

「あ、あの…」
沈黙に耐えられなくなって、チモンが声をかけた。
「にゃーん」
すると、オレンジの毛のネコがチモンに近寄ってきた。
そしてチモンにもわかる言葉で、
『昔話、私からもするわね』
そう、言った。

-----------------
表と裏の世界を照らす星に、一人の守護者が住んでいたの。
その星を表すような、真っ赤な髪を持った少女の姿をしていたわ。

彼女は照らす星を守るのが仕事だったから、照らされている世界には無関心だった。
だから、世界に妖魔が溢れ、多くの命が消えていったときも、なにもしなかったわ。

裏の世界は順調に復興を果たしていったわ。
表の世界は完全に荒野と化していたけれど。
裏の世界の人間たちは、
自分たちの地の他に世界があるなんてことも忘れているくらいだった。
だから、今後、世界イコール元・裏の世界ってことで話をするわね。

どんな文化レベルだって、
賢いヒトが生まれ、その人がどんどん発展の手助けをする。
それに伴って、妬みとか恨みとか――そういう負の感情は発生するもの。
だから、裏の世界の王女は、負の感情回収から解き放たれることはなかった。
大地の底で、大きな砂時計のようなものを作り、
そこの上部に負の感情を溜め、下に落とす。
落とすときに結晶化させて、漏れ出すことのないようにしていたらしいわ。

だけど、自然発生するものを消すとか抑えるとか、不自然なことだと思わない?
やがて王女の体を負の感情は蝕み始めたの。
でも王女は、これは自分が弱いからだ、しっかりしなきゃ! 
と気力で持たせようとしていた。
その姿があまりにも痛々しかったのね。
照らす星の守護者は、彼女を説得するために、彼女が潜む洞窟へ現れたわ。
そして私がさっき言ったようなことを、王女に言うの。
だけど彼女は、負の感情集めをやめようとはしなかった。
世界が滅ぶところを、もう見たくないってね。

仕方がないので、照らす星の守護者は、彼女のそばにいることにしたの。
少しでも彼女の様子がおかしかったら、自分の手で彼女を殺そうとしてね。
物騒な話?
そうかしら。
王女が妖魔になったら、本末転倒じゃない。
それを彼女が望んでいるとも思えないし。

だけどね。そばにいるっていう判断は間違いだったのよ。
身近なひとの変化って気付きづらいのはわかる?
そっか。そんな経験ないか。
とにかく、近くにいるとね、少しづつの変化には気がつかないものなのよ。

照らす星の守護者は気がつくのが遅れたの。
王女は妖魔になっても、まだ負の感情を結晶化させて、
表面上は世界を負の感情から守っていたから。
本当は守ってなんかいなかった。
だけど害を与えようともしていなかった。
千、万の時を越えて、そこに存在していたのは、
ただ負の感情を集める装置だったのよ。
それに気がついて、照らす星の守護者は
王女を眠らせることを――って言うと綺麗事よね、殺すことを選んだ。
しかしそれは間違いだったのかもしれない。
結果、世界の人々は、自力で負の感情と戦うことになったのだから。
だけどその結果を見ても、守護者は自分の判断が間違っていたとは思わなかった。
彼女にとっては、世界なんてどうでもよかったから。
単に王女のことがいたたまれなくて、世界に下りてきただけだから。
そうして、守護者は照らす星に帰っていったわ。

それから何千年、時が流れたかしら。
世界の人々は適応して、負の感情と戦う力を手にしていたわ。
もちろん、負の感情は実体化して、妖魔をはじめとする脅威と化していたけどね。

そんななか、王女の生まれ変わりが世界に生まれたわ。
なんの因果か、ちゃんと裏の世界の王子も生まれていて、その王子の妹としてね。
普通の子供として生まれていればまだ幸せだったのかもしれない。
だけどなんの皮肉か、二人はある一族の守護者として生まれたの。
――なにかしらね、守護するものはその運命から逃れられないって奴ぅ?
そして守護するためには、過酷な試練があったの。
それは、自分たちの種族を守るために、外敵から身を守ること。
そしてその外敵とは――人間だったのよ。

-----------------
「これは…!?」
突然の景色の変化に、エリアスは驚きを隠さない。
「ユグドラシル! この島にもあったんですね!」
目の色を変えて、カルニアが嬉しそうに言う。
――彼は、自分の世界のユグドラシルを食べているのだ。
「でもボクたちを消そうとしているみたいだよ。
招待主さんが、止めてくれたから今は助かっているだけでさ」
淡々と言うシャルは心ここに在らず、といったところだ。
「そんなことはどうでもいい。ボクは…」
空を見上げて、ぽつりと呟いた。
「変わっていたとしても、あのひとに会いたい」
あのひと?
問いかけられても、シャルは答えず、遠い目をしているだけであった。


-------ボクだって---------

怒るときはあるんだよ?
というのは次回の話にします。

今日のランキング~
器用:第8位 1842
日記:第18位 2134

器用は次回、落ちるな。
ぎりぎりポイントが足りないんですよ。
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