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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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探索72日目
シャルが、過去、出会った者との距離を測りかねている。
しかし自分は、今の距離でいいと考える。
これ以上近い距離になれば、彼女の歩んできた道を知るだろう。
そして知った以上、なにかしら行動を起こしたいと考えるだろう。
だが無理なのだ。
根本的にあの竜は、ヒトとは違うのだから。

シャルがヒトに憧れるようになったのはかの者の一生から見ると、
大変古い頃からだ。
天空竜の一生で例えれば、あの者はまだまだ生きる。
人間換算すればまだ三十代というのも間違ってはいない。
だから、仮にシャルの生まれてから今までの時間を十と例える。
そうすれば、彼は一のときからヒトに憧れていたといっていい。

天空竜に限らないことで、四属性竜には子供時代というものがない。
存在するようになったときから成竜だった。
彼らを作ったものはない。
我々と同じで、エンティが生まれたときには存在していた、自然の一部である。
エンティがどのようにして生まれたのかは、私もわからない。
私が存在した時には、エンティには世界の土台が二十あり、
元素となるものも存在していた。
そして、それ以降なにかが増えることも無かった。
話が逸れた。

自然の一部でありながら、四属性竜はヒトと接点があった。
それがそもそもの間違いだったのかもしれぬ。
力を持つ者は、ヒトの不完全さにいら立っていくのだった。
が、同時に不完全さを愛する者も出た。

それが、シャルだ。

そして兄姉といえる他の竜たちと意見を異にすることも恐れず、彼は人を愛した。
一番極度にシャルと意見をぶつけたのは兄のシーザー。
他の二竜は簡潔に言えば、どちらでもあった。不完全さにいら立ちを覚えながら、
憎むこともできなかったどっちつかずである。
シャルは、ヒトの不完全さにいら立つという意見も認めながら、
自分はヒトを愛したいと訴えた。
が、完璧主義でもあったシーザーはそれを許さなかった。
結果、ヒトの邪気を消すという極論にまで走っていく。
それを止めるため、シャルは邪気を受け持つと言い、
邪なるものと呼ばれるようになる。

しかしシャルとはとことん変わった男である。
とにかく矛盾しているのだ。

優しく、残酷で。
正直で、嘘つきで。
自分の道を信じ、自分を一番信じず。
ヒトの未来を信じ、自分の未来は見ず。
正義は嫌いだという正義を持ち。
絶対なんて無いと、絶対に言い張り。
――子を求め、蔑ろ(ないがし・ろ)にする者。

--------イラスト解説------------

<もしもシャルにJさんと雁竜クンとの会話が聞こえていたら>
聞こえたら逃げるけどね!
それでも聞こえてしまったら、のイラストです。
解説がないと意味不明だけれど、わからなくていいのだ。(えええ)

「今、Jさん…なんて…言った…?」
シャルの脳裏に浮かぶのは、遠い遠い言い争い。

「放せ!Jさんを助けに行くんだ!」
「馬鹿者。彼女には彼女の人生がある。それをお前に壊させるわけにはいかぬ」
ヒトである以上、避けられない、死。
それはわかっていた。
しかしそれは思っていた以上に早くて、唐突で。
――彼女の世界に干渉などできるはずがなかった。
だが感じたのだ。彼女の死期を。
「放せ放せ放せ放せ放せ放せ放せ放せ放せ放せ放せ放せ放せ放せ放せ放せ放せ放せ
叫び続けても、自分の世界の秩序を守る者の腕を振りほどくことはできなかった。

脳裏にもう一人の秩序の存在が浮かぶ。
「あのね、彼女はね」
余計なことを言った宿命に飛びかかったが、宿命はのんびり笑っていた。
奴は知っていたのだろうか。
宿命だったというのだろうか。

…そんなことを思い出していた。
辛くて涙がこぼれた。だけど。
腹の中のなにか。いや、不正義さまが囁いた。
「見てごらん」

顔を上げると…

目に飛び込んできたのは、笑顔。

ああ、それでいい。
         ヽヽヽヽヽヽ
ボクが愛したのは、みんなの中で微笑むJさんなのだから。



1コマ足りないことに今更気が付きました_/ ̄|○
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