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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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探索9日目
[星降る夜に]

「星が~降りしきrグハァ!」
シャルがご機嫌で歌いだすと、エリアスの剣の鞘が彼の口の中に突っ込まれた。
「それはアウトだ」
エリアスがきっぱりと言う。
口をもがもがさせていたシャルは鞘をなんとかどけると、
「じゃあ。ボクが~降りしきるペンtがはぁ!」
カルニアのおたまが今度は口に入っている。
「それは怖いし、結局アウトなのには変わりありません! なんか古いですし!」
かぽ。
あっさりとおたまを外すと、シャルはにこりと笑った。
「いやぁ。時々歌いたくなるんだよね、この歌。好きなのさ~♪ 
さて、それじゃあボクはこの世界に雪を降らせてくるよ」
そう言って、彼は合同宿舎を出て行く。
「やれやれ…今日はフェイテル様も一人にしてくれというし…
静かになりそうですね」
カルニアはため息をついた。しかし、じとーっという視線を感じ、
エリアスの前からそそくさと彼は逃げ出した。

---------------
フェイテルは一人、遺跡内にいた。
ひとり、横になっていた。
(ああ、私、負けたのよね…)
今は邪心を呼び出す力も無い。それほど疲れきっていた。
体を動かす気にもならず、そのままの体勢でいる。

シャンシャンシャン…
なにか音が聞こえてくる。

フェイテルは考えていた。
どうして負けたのかと。
能力的には互角の相手だった。カルニアはよくやってくれたし、
シャルも呼び出すよう手配をしていた。
そのシャルもよく戦った。
なのに何故。
1度倒した。しかし起き上がってきた。
2度倒した。それでも起き上がってきた。
こちらも1度は立ち上がることができたが…
その違いが納得いかない。
(守護者…それに対する想いが力を与えるというけれど…)
そんな者に敬意をはらう気など毛頭ない。なぜなら自分は。
(本当…どうして私自身でここに来たのかしら…)
自分の気まぐれでこのざまである。ここまで来ると、もう笑うしかない。

遠くで音楽が流れ始めた。
気がつけば、辺りは暗くなっており、美しい星が空で瞬いていた。
地平線のほうに目をやれば、ぽつりぽつりと小さな明かりが見えた。

(なにをしているのかしら)
水晶を取り出し、覗き込んでみる。
(クリス、マス…?)
水晶に写しだされたのは、
今日がクリスマスというイベントの日だということだった。
フェイテルは一般的な行事に関しては興味がないため、知識も無い。
そういえば、元の世界の冬はシャルが2日間だけ吹雪を和らげる日が
あった気がする。
人間のイベントのためにご苦労様なこと、と思った記憶がかすかに残っていた。
しかし自分には関係の無いこと。

また空に目をやる。星が綺麗だった。
「こんなことを思うなんてね…」
星をゆっくり見ることもはじめてだった。
なにかを綺麗と思うのも、はじめてだった。

ほう、と息をはいてみる。
白くなったそれは、きらきらと光を帯びていた。
(相当、寒いのね…)
自分に感覚はついていない。それが危ないんですよ、こういう場所に出てくるには!
と、カルニアが言っていた気がする。
仕方が無いだろう。元々自分は世界に降り立つ存在ではないのだ。
そもそも、「存在」ですらないのかもしれない。「概念」なのだ。
しかし弟は自分の使命を放り出して、旅をした。その原因が自分なのは
横に置いておいて、かなり無茶なことをしたわねと笑った記憶がある。
フェイテルがなにかやりそうだ、と判断すると弟は動き出す。
しかしフェイテルにはそんな気は全く無いので、弟の取り越し苦労なのだ。
そこがまた可笑しく、愛おしい。
でも。自分も一度旅をしてみたかったのね、きっと。
そんな我侭を自分が思ったことに対し、笑いが漏れた。

雪が降ってきた。
それを深々と浴びながら、フェイテルはまた水晶を覗き込む。
そこには楽しそうに笑う人々の笑顔が浮かんでいた。
楽しそうに会話する姿。
食事で大わらわになっている者。
プレゼント交換をしている者たち。
それを見守る人物もいる。
それらを見たフェイテルの心に、なにか冷たいものが突き刺さった。
(……私は)

たくさんの仲間たちの笑顔を奪った


島の人々の笑顔を見ながら、はじめて、自分の罪を感じ取ったのだった。
そんなフェイテルにも、人々にも、平等に雪は降りしきる…
そんな静かな、夜。

「メリークリスマス!」
声がかけられた。
フェイテルが上を見上げると、カルニアがいるではないか。
ご丁寧にやたらと厚着なサンタの格好をしてそりに乗っている。
トナカイがそりを引いている。
「なにをやっているの?」
フェイテルが問うと、カルニアはにっこり笑って、
「プレゼントの交換会ですよ~、どうぞ」
フェイテルの元に二つ、小包が落ちてきた。なんとかそれを空中でキャッチする。
「中身は私も知りません。それでは、私は他にも行くところがありますので。
良いお年を~」
カルニアサンタは行ってしまった。

フェイテルは自分に届けられた二つの荷物を見る。
その中身は――

----------------
なんなの! カルニアの登場が突然すぎるでしょ!
最初は邪心たちは出落ちにするつもりでした。
だから最後のプレゼントシーンに説明をもう少し入れるべきでした。
「今日はひとりにして、と言ったでしょう」
とかさ!
これだから日記のチキレはダメなんだ。

一応、レンタル宣言の、星降る夜に、参加作品です。
しかしフェイテルはクリスマスを知らない。
で、こんなものなの…というお話にするつもりでした。
が、文才がついてきませんでした。玉砕です。

シャルが歌っているのは「サイレント・ヴォイス」です。
星降る夜に、と聞いて閃いちゃったんだ…
お題無視していきなりネタに突っ走ってごめんなさい。

順位は第41位(1338)でした。ダラダラ文なのでなんか悪いなぁ…
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