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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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探索8日目
「カルニア」
返事は無い。
「カルニア」
やっぱり返事は無い。
「カルニア」
…あ、地面からごめんなさいって看板が出てきた。

ここは合同宿舎内。
「ふーん、カルが呼ばれても出て行かないなんて珍しい」
シャルはそう言って大好物の青汁を飲み干した。
「だだだだだって…派手に魔方陣の位置を読み間違えて、
道案内を失敗しちゃったんですよぅ。絶対怒られますぅ…」
カルニアはぶるぶると震えながら、キッチンの影に隠れている。

「…カルニア」
ガシャーン、と音がした。
一人呟くフェイテルの横で、カルニアがはじめて作ったウッドシールドが
ばらばらに粉砕されてしまっていた。

キッチンの影から、遺跡内のその映像を見ていたカルニアは余計怯える。
「こ、今度は私がバラバラになる番なんですね…」
「バラバラになっても死なないじゃん。むしろ増えるじゃん」
「じゃあ私、どうなっちゃうんでしょう…」
シャルのボケ(いや事実なのだが)を聞いても普通に応対するカルニアは
心の底から怖がっているようであった。
「外に出る提案をしたのも、魔方陣の見間違いだったんですよ…
合わせる顔がないというかなんというか…」
「当たって砕けろ」
エリアスが淡々と言う。
「あ、エリアスが難しい言葉使ってるよ! 今日は珍しいことばっかだねぇ」
「…」
エリアスはぷいとそっぽを向いた。
「……あの女は嫌いだ……」
その姿にシャルはとある知り合いを重ねた。彼の全てを奪った女。
それがフェイテルだったな、と。そしてエリアスは彼の半身のようなもの。
だから嫌いという感覚があるのだろう。
しかしぶんぶんと首を振って、気持ちを切り替える。
そういうネガティブっぽい話題を考えるのをシャルは好まないのだ。
自分がネガティブの魂でできているから、余計に。
そして道化を演ずる。それは今も昔も変わらない。
そう、いろいろあった楽しいあの日々のときでさえもそうだった。
「あーはっはっはっは! そうだねエリー。
ボクもフェイテルサマは好きじゃないよ。ボクたちを好きに扱うんだもんね! 
自由を愛するこのボクを使うなんて! ぷんすかぷん!」
「昨日は呼ばれないのが不満だっておっしゃっていたくせに…」
シャルの高笑い(呪いの状態異常付き)をなんとか防いだカルニアが
自分の状況を忘れて突っ込む。
「そうだったっけ? そんなの忘れた忘れた! 
だからカルも失敗を忘れてフェイテルサマのところに行った方がいいんじゃない?」
「切り替えが早いですね…」
カルニアは呆れたようにつぶやくと、遺跡の様子を再び見る。
フェイテルはカルニアを呼ぶのをやめ、自らが破壊した盾を見ている。
なんだか哀愁が漂っているな、と思ったカルニアは立ち上がった。
「わかりました。今度呼ばれたら行ってきます」
「…カルニア」
そのとき、小さく彼を呼ぶ声が聞こえた。
それに応じてカルニアは一瞬で姿を消した。

「フェイテル様、申し訳ありませんでした!」
すごい勢いで頭を下げるカルニア。
ガンッ。
自分で起こした衝撃で前方にひっくりかえってしまう彼。
するとフェイテルのくすくす笑う声が聞こえる。
「怒ってなんていないわ。間違いは誰にだってありますもの。
それに私は、探索を急いではいないの。戦って、戦闘経験を積むのが目的。
そしていつか難しい仕事を承るのが目標なのよ? 
だから先走って防具ではなく付加を選んでしまったときにも怒ってないでしょう?」
涙目でカルニアがフェイテルを見上げる。
「はい…あのときも申し訳ありませんでした。島の経験があったにもかかわらず、
不甲斐ないです」
「同じ失敗はしないで頂戴ね。今度やったら――
ウッドシールドと同じ道を歩むことになるから気をつけて」
そう言って、フェイテルはにっこり笑った。
「ふ、粉砕ですか。バラバラですか。そんな痛いの嫌ですよう!」
「あら貴方、痛覚あったの? 自分をちぎって分身をぽこぽこ作るから
全然平気だと思っていたのに」
「それはそうなんですけど…」
カルニアは口ごもる。
自分でやるのと人にやられるのは違うのだ。
「そ、それはともかくですね! 次の行き先を決めましょう。
今回は簡単です。まっすぐ西へ!」
にっこりとフェイテルは笑って頷く。
「戦闘は…トカゲさんですか。果たしてどれだけの力があるのやら」
「貴方に任せるわ。シャルを呼ぶまでも無い相手だと思うもの」
「そうでしょうか…」
不安げに次の対戦相手を見る。戦った記憶が無い相手なのだ。
警戒はしておいたほうがいいだろう。
そう思ってカルニアは技リストを見直すのであった。
(こっそりシャルも呼んでしまいましょう。剣も使われたがっているでしょうし…
来るかどうかは今日のご機嫌次第ですね)
悪くは無かった、とカルニアは考える。
たぶん。
――シャルの機嫌を見るのは難しいのだ。彼は自分の感情を隠してしまう。
自分に対しての嘘は、自分は重症だと思うが、彼はもっと上を行くだろう。
誰かが嘘をつけば、偽りの邪霊が生まれる。それを見て判断するのだが、
その偽りの邪霊を吸収できてしまう相手だと嘘をついてもわからない。
つまり、自分とシャルが嘘をついても、邪霊で判断するのも無理だ
ということである。
「まあ、ビクビク怯えるのはやめましょう。当たって砕けろです!」
「砕けるのは私よ?」
フェイテルの声。それにビクっとなってカルニアは顔が引きつる。
その引きつった顔で彼女のほうを見て、あ、はははは…と笑った。
「すみませんでした!」
またすごい角度の謝罪の礼。
それが面白いのか、フェイテルはくすくす笑いながら言うのだ。
「ホント、どうして私はこの島に来たのかしら…私自身が傷つく必要は
全く無いのにね。貴方たちが来て、戦えばよかったのに。ふふっ」
「……」
カルニアは礼をしたまま、真顔になっていた。
(確かにそうですね…どうして全く動かないフェイテル様が動いたのでしょう。
私も噂でしか聞いたことの無い
あの事件のときしかフェイテル様は動かなかったそうですし。まさか)
なにか恐ろしいことの前触れのような気がしてカルニアは震えた。
「まだ怖がっているの? 大丈夫よ。
あまりにしつこいと、私、本当に怒ってしまうかもしれないわよ?」
フェイテルには運よく本心を覗かれなかったようだ。
カルニアの脳裏には彼女と似た少年が思い浮かんでいた。
フェイテルの企みを察知した、と言って先日まで戦っていた少年である。
予感は外れていて、なにも起こらなかったそうだが、彼の言っていた悪い予感が今、
成就しようとしているのではないか…
カルニアは目をつぶる。
いや、それは無い。この島に眠る強大な力を持つらしい宝玉に
フェイテルは全く興味を示していないからだ。
だから大丈夫。
カルニアはそう、自分に言い聞かせた。

今回は難産でした。
読み直した記憶が最初の数行しかない。
つまり残りは全部チキレ…なんて恐ろしい。
おかげさまで日本語がなんか変です。

それでもランキングは…
第40位  1288
上がったぜ!

次も難産でしょうね。ネタないし。
というか書く体勢が整っていないです。
ちょうどいいのでレンタルさせてもらおうかな、友人。

ギュス様の世界に…ついていけないです…
でもボク邪気眼のはずなのになぁ。
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