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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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探索14日目
薄暗い裏路地。
細かい雨が降り続いている。
遠くで、雷の鳴る音が聞こえた。
そこに立つ長身の男。
手には花束。
彼の長い黒髪は雨ですっかり彼に張り付いている。
「―――また会いに来ちゃった」
口だけが動いた。

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今日は遺跡外。
カルニアは一人、バタバタあたふたしている。
それを見守るフェイテル。
その横ですごく暇そうにしているシャル。
2人は並んでいるのに会話を交わそうともしていない。
「さあ! とりあえず依頼を引き受ける旨の広告は出してきました! 
あとは依頼待ちですよ~」
カルニアが、にこにこと笑顔を浮かべて2人のもとにやってきた。
「さて、次はどこへ行くの?」
フェイテルが自分の考えをそのまま言う。
カルニアはそれにビクっと反応して、ひきつった笑顔でこう言った。
「今回はお休みです~。依頼を受けて、経験を積むんです。
正直付加36は遠すぎるので経験をいただいていかないとやってられないですよぅ」
「経験?」
フェイテルはカルニアが怯えた理由には触れず、問い返した。
「はい。一生懸命作成をすると、たまにレベルアップできるんですよ~。
こないだありませんでした? 私が防具を作成したときに経験でレベルアーップ! 
ということが」
「そういえばそうね」
本当に記憶にあるのかどうか怪しい。
しかしカルニアはぺらぺらと喋り続ける。
「この先は、適当に出会う相手ではなく、待ち構えている人がいるという噂です。
今度は、その人たちのことを調べてきます。それでは~」
言うがいなや、カルニアは手を振って2人のもとを去っていった。
ぽつんと残されるフェイテルとシャル。
「……」
「………」
「あ、あのね。今回は勝ててよかったね。
カルニアが新しい契約相手と交渉してきたって聞いたよ!」
無理に盛り上げようとしているのか、テンション高めの声でシャルが話し始める。
「冒険者には敵わないけれどね」
「それはしょうがないよ! カルニアがいろいろ作るためだもん」
それにフェイテルは答えない。
(また話題が尽きてしまったか…)
内心シャルは思う。が、フェイテルがぽつりと言った。
「楽器って、あなた、できる?」
自分のことを聞かれることはとても珍しい。シャルは若干驚いた。
フェイテルは自分たちのことなど、なんでもお見通しだと思っていたからだ。
「それなりにはできるよ! 得意なのはピアノだなー」
「それ、教えてくれない?」
「え゜っ?!」
自分になにかを頼るということも驚きだし、なにかをしようとすることは
さらに驚きだった。
「ど、どういう風の吹き回し…? 明日はなにが降るの? 杵? 臼?」
降る物のチョイスがなんだかおかしい。
「綺麗な演奏をしている子に出会ったの。とても綺麗だったからその場で
しばらく聞いていたわ。私にはできないこと。だから聴いているのよと言ったらね、
その子は言ったわ。やれる体があるのだから、
あと大切なのはやろうと思う心だって」
「そうなのかー」
シャルは相槌を打つ。フェイテルが音楽に興味を持ったということも
不思議なことだった。
フェイテルには感覚があまり無いのだ。ちなみに痛覚は全く無い。
だからおいしい草もそのままおいしく頂くし、
落ちていた薬を飲んでも全然平気な顔をしている。
以前、こっそりシャルが薬を頂戴しようとして、
あまりの苦さにびっくりしたことがある。シャルは苦党なのにもかかわらず、だ。
だから聴覚もあまり無いのだと思っていた。
いや、それ以上に音楽を美しいと感じる感覚が無いと思っていた。
「うーん、ピアノは持ち歩くのがすごい大変なんだよ。
だからあまりお勧めできないなぁ」
「そんなこと無いわ。貴方と一緒に召喚すればいいだけの話だもの」
楽器はなにも知らない状態から始めるのは難しい。まあフェイテルのことだから
こなせてしまうだろうが。しかしピアノは邪魔だ。
演奏練習中に奇襲されたらどうするのだ。
それに第一ピアノは、あまり、教えたくない。
そうシャルはぐるぐる考えた。
「ああ、そうだ! 演奏じゃなくて踊りならすぐ教えられるよ! 
なにも道具使わないし!」
「踊り?」
問いかけに対し、シャルはにかーっと笑う。
「そう、踊り! ほら、ボクが魅了をするときにやってるやつだよ」
フェイテルはふう、と息をついた。
「だいぶ、私の求めているものとは違う気がするわ」
「そう? ボクはねー、踊りにとってもいい思い出があるんだ。
だからホントは教えたくないんだけど、フェイテルサマのためなら、ね?」
恩着せがましいことをいいながらくるりとシャルはその場で回った。
「貴方、ただ自分が踊りたいだけじゃないの?」
フェイテルの鋭い指摘。しかしシャルはすーっと目を細めて言う。
「僕と踊るのはフェイテルさま、貴方が二人目だよ」
「ああ、そういうことね」
フェイテルは察した。
シャルにはとても大切にしている時期がある。そのときをモチーフにした人形たちの
オブジェを合同宿舎のある世界の某所に隠し持っているくらいだ。
そしてそのときからずっと慕いつづけている人間がいる。いつか彼女の宿命と人生を
覗き、シャルに語ろうとしたら本気で怒り、フェイテルを本気で殺しにかかってきた
ことがあるくらい、大切に思っている人間だ。
彼女と、シャルは踊ったことがあるのだろう。
「そんなに大切なものならば、教えてくれなくて結構よ。貴方は私に勝てない。
そんな宿命が無ければ私は死んでいたくらい大切なものなんでしょう」
「……そうだね」
シャルは目を閉じて静かに言った。こうしてみると、軽い口調の彼と、
今のようなどこか暗い彼はどちらが本当のシャルなのかわからなくなる。
無論フェイテルは水晶からその答えを導き出そうとしたことがある。
水晶の出した答えは、矛盾。
つまり、同時に成立し得ないと思われがちだが、
どちらもシャルだということだった。
(不正義と呼ばれたり、邪悪そのものと呼ばれたり、矛盾の邪心と呼ばれたり…
忙しい子ね)
フェイテルは水晶の答えには絶対の信頼を寄せているので、
そう考えて納得していた。

「うわー、大変大変! …ってあれ。
私、まずいタイミングで戻ってきてしまいましたか」
カルニアが騒々しく帰ってきた。
「そんなことないヨ? ちょっとフェイテルサマと二人っきりはどきどきって
緊張してただけさ~♪」
「そうですかぁ?」
カルニアはシャルの言葉を受け入れるフリをして受け入れていないようだ。
「で、なにが大変なの?」
シャルに問われ、カルニアはぽんと手を打つ。
「防具作成承りますのチラシに募集にあっという間に人が集まったんですよ~。
まだ職人としての腕は低いので、時間がかかると思ったんですけどねぇ。
でも、とっても嬉しいです!」
カルニアは自分が腕を振るえることができることが嬉しいというのが
見てわかるくらいニコニコしていた。
「お、カルが作り笑いじゃない笑顔を浮かべているよ!」
「しっつれいなー。
それじゃあ、私がいつも作り笑いしているみたいじゃないですかぁ~」
シャルはそれには答えなかった。肯定も否定もされないので、
カルニアはトントンと地面を踏んだ。
「もう、ひどいですねー。こういうの、放置プレイっていうんですよ」
「そうなの?! カルのえっちー!」
「なんでそういう方面の解釈をしますか!」
「やーい、えっちえっちー!」
「もう!」
シャルが自分で遊んでいることに気がついたカルニアだが、
どうすることもできないのだった。
「ふふ、ふふふふふ…」
すると微笑んでいただけだったはずのフェイテルが声をだして
笑い出しているではないか。
ぽかんと邪心2人は固まって笑い声の源を見つめる。
「笑うって機能あったんだ…」
「笑うって機能あったんですね…」
驚いて同じことを同時に言う二人は、まるで本当の兄弟のようだった。

フェイテルが音楽に関わる機会はとりあえず、今回はお預けのようだ。


今回はレンタル宣言もない、そもそも今期はたぶん参加しておられない人と
シャルの関係について書きました。
他の方のキャラなんです、シャルの初恋の人。
もちろん、ゲームで知り合いました。
数名同じゲーム出身で同じキャラ使いさんが今期にいます。
(あ、お一人挨拶に行ってないや。あとで行こう)
初恋相手にしていいかのご了解はいただいております。
冒頭のアレは…なんとなく書いてしまった。

今日のランキングー。
第34位(1559)
順調です。しかし連続遺跡外なので次回はどうかな。

あと、いい加減合同宿舎の主(プロフで説明まで書いているのに)と
前回契約した人の絵を仕上げないといけないですね。
日記書いていると、すぐ時間がなくなっちゃうんだ☆
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