忍者ブログ

定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

探索15日目
「うーん…」
カルニアはうなっていた。
「ん、どうしたん、カル?」
シャルがそう言って、彼の視線の先を追って、ああ、と呟いた。

ここは遺跡外。
たくさんの人が出入りする市場、広場、案内所。なんでもある。
カルニアが立ってうなっていたのは、市場の職人が集まる―木漏れ日―の
募集看板の前だった。
職人たちが自分の腕を売り出したり、品物の取引を行うことができる、
有志で作られた大変ありがたい場だ。
「昨日はあっという間だったんですけどねぇ。この調子なら、
遺跡外にちょっといれば目標に辿り付けると思ったんですけど…」
今日は、カルニアの呼びかけに応えてくれた者の名は無い。
「昨日は見送った衣装だけ申し込みがあるねー」
「ええ、これはとてもありがたいことです」
衣装はこれ以上ポイントを使って上げられないのだ。
本当は防具に振る余裕も残っていない。そのため、遺跡外だけが頼りなのだ。
「職人業ってやっぱ大変だねぇ~」
ひとごとなので、シャルは暢気に呟いた。
「あ。あのねぇ。しょくにんぎょう、って書いたら食人形って最初に出てきたよ!」
「突然意味のわからないこと言わないでくださいー」
ジトっとカルニアはシャルのほうを見る。
「むかーしむかし、人形の形をしたパンを作ったら、そのパンは意思を持って、
逃げ出した。いろんな奴に狙われたけど逃げ続けた。でも最後に、味方のフリした
キツネに食べられちゃった☆…というお話があるのだよ」
「全く説明になってないんですけど」
「あーはっはっはっはっは!」
久しぶりの呪いつき高笑い。カルニアは耳をふさごうとして、一拍置いてから
シャルの口をふさいだ。
「もがっ!」
「みなさんの迷惑です。やめてください」
「ほんはほほはいほー。はへほほふははっはっへわはははいっへは
(そんなことないよー。誰もボクがやったってわからないってば)」
はふはふ言いながらシャルは反論する。そういう問題ではないんです、とカルニアは
シャルを離してから睨みつける。それにしたっていつもいつも貴方は
突然わけのわからないことをおっしゃいますよねぇ、と付け足している間に、
シャルに動きがあった。
「ふーん」
急に意地悪な光を湛えた目でカルニアを見たのだ。
「なんですか」
「人間嫌いのカルニアが、人をかばうなんてねぇ」
「え?」
すると何かスイッチが入ったように、カルニアはキャピっとポーズを取り、
「わたしー、人間さん、大好き♪ ですよ?」
「それは研究対象としてでしょ。あるいは食用」
子供っぽい声で言ったが、シャルにあっさりばっさりやられた。
「そんな風に見えます? よく交流している人がいるじゃないですか。
その人たちを私が、邪険に扱ってます? 違いますよね」
「そういう押し付けるような口調って、キラーイ」
カルニアはちょっと怒って普段使わない文法を使ったが、
シャルのお気に召さなかったようだ。
「質問に答えてくださいよー」
「キラーイ」
語尾を和らげてみたが、会話が成立しない。
気まぐれ蜥蜴はつくづく扱いづらいと、カルニアは額に手を当ててぐったりした。
それを見かねてか、シャルは返答をする。
「確かに邪険には扱ってないけど。でも、カルって嘘つきじゃん。信用ならないよ。
本心はどう思っているかなんて」
「そんなことないですよぅ。本心から、楽しくお付き合いさせていただいています」
その言葉も信用できないんだよ、とシャルは補足しながら続ける。
「そうかなぁ? いまや、カルが交流している人って、ボクよりも、
フェイテルサマよりも少ないじゃん」
するとカルニアが固まった。
「え゛。フェイテル様、交流しているんですか?」
「してるよ~。主に、あっちから話しかけてくる人にね。話しかけるほうとしては、
使い魔のボク達より、フェイテルサマに話しかけたほうがやりやすいみたい」
所詮、ボクらは使い魔なのさ~♪ と言いながらシャルはくるりと
ターンしてみせた。
カルニアはそれを見ながら、信じられない…と考え込んでいる。
「あ、そういえばフェイテル様は?」
シャルはもう1回転してから答えた。
「興味を持った子を水晶で見てるよ。よっぽど気に入ったみたい、
あのアイドルのこと」
「アイドル、ですか…?」
そういえば、フェイテルのお気に入りリストにはアイドルの名が二つ
書き連なっていた。
「ミーハーなんじゃないの? ふふふっもがっ」
呪いの高笑いの前兆が来たので、カルニアは即座にシャルの口をふさいだ。
「はんへははっはひへはいほ? ほふほはほひひはほひー!
(なんで笑っちゃいけないの? ボクの楽しみなのにー!)」
「みなさんが呪われるからですよ。ほら、こんなことだから人が逃げていく!」
カルニアはそう言いながら、募集が集まらないことの苛立ちを
シャルにぶつけることに決めた。

ぷすっ

シャルの足を木の根っこのようなものが貫いた。
「痛いーっ! カルゥゥゥゥゥ!」
シャルはそう言っても、カルの一種の悪ふざけなのだろうと、思っていた。
だから痛いながらもなんとか笑顔を…涙目だが作って彼に話しかけた。
しかし違った。
「なんですか? これ以上私たちを呪おうとされるなら…
こちらは先制攻撃させていただきますよ」
目が怪しく輝くカルニアの周りには木の根っこらしきものがうようよと
うねっていた。
本性が完全に怪物のカルニアには、触手があるのである。
先程からシャルを刺しているそれは、カルニアのある意味、手、だ。
シャルは、思いっきり、引いた。
カルニアが化け物だと知ってはいたが、それを見たことは無いので
その一部を見せられて、未知のものへの恐怖というものもあったのであろう。
シャルの知っている世界は、広いようでかなり狭い。
カルニアのような修羅場はくぐってきたことが無いのだ。
孤独の中で生まれ、孤独から逃げようと足掻き続ける邪心。
憎しみの果てに、大量の犠牲を生み出すことによって自らを慰めた邪心。
彼らの境遇は、あまりにも、違いすぎた。
「ご、ご、ごめんよ~。カルが本気で怒るなんて、思ってなかったから…」
シャルはとりあえず謝った。
しかしカルニアの目は冷めた笑いの色のままだ。
「これが私の本気の怒りだと思います? ちょっと機嫌が悪いだけなんですよ。
とりあえず場所を変えましょう。これ以上やるには、ここはあまりにも場所が
悪すぎる。お客さん、これ以上減ると困ります」
充分、これの事情を見て理解したならば、客足は無くなるだろう。
今現在、木の根っこがうねうねしているだけなので、セーフとカルニアは
考えているようだが、この遺跡には、力を持つものなど五万と居る。
果たしてセーフなのだろうか?

「さ。どこいきましょっか?」
「やーめーてー」
シャルの悲鳴だけが残っていく。

「………くだらんな」
その後姿を、フェイテルとよく似た少年が見ていたのを、二人は知らない。


今回はなにもかもチキレ。
かなりヤバかったです。
普段ならアウトになる時間にチキレコミュを作りました。
でもアウトにならなかったから、カオスな説明文のコミュができてしまった。
じっくり推敲して、チキレーサーたちを呼び集めたいなー。

チキレのおかげで、日記に+BR+構文使えないの気がつかなかったし
(上の日記は小細工して消していますが)。
脱字もあります。説明不足もいっぱいです。
最後に余計なもんまで出てきています。なんかの前触れに見えるかもしれませんが
声の主は最終回まで出すつもりはないので、忘れたほうが吉さ。

次回も遺跡外です。今度はなにやろうかな。
メッセ相手も増えてきて、ようやく「あ、ここのログとっておけば便利じゃん!」
というものを発見したので、メッセの行き違いも起こらなくなると思います。
今まで矛盾のあるメッセを返してしまった人、ごめんなさい。

そういえば節分でしたね。バレンタイン、次来るかと思ったんですが来ないので
節分を振り返り、バレンタインに胸躍らすネタでいきましょうか。

さて、今週のランキングですが…
第32位(1599)
何故?! かなり文字数少なかったはずなのに。
ですがあと1あれば、15が消えたなぁ…(私は15に嫌な思い出があるんです)
PR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
 管理人のみ閲覧
 
TRACKBACK

トラックバックURL

Copyright ©  -- ダブルスパイサー --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Material by 妙の宴 / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]