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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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探索16日目
「カルはー、外! 福はー、内!」
シャルが豆まきをしている。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! どうして私が外なんですか! 
外は寒いからキライです。それに、ここを実質動かしているのは私なんですよ!」
カルニアが即座にクレームを出す。
シャルは“にこぱ”と笑い、
「カルはバケモノだからー!」
と言った。
「………また、昨日と同じ目に遭いたいんですか、あなたは」
「やーん、カルってば短気ー。短気は損気って知らないの?」
触手を1本だけ出して、不機嫌そうにカルニアは言う。
それに対して、昨日は悲鳴を上げていたシャルが、今度は強気である。
早い話が、慣れた。というやつのようだ。
「短気とはまた。エリアスのほうがよっぽど短気で危険ですよ。私と違って、
手加減とかそういうの考えないでキレますからね。
いくらシャルでも、その恐ろしさはわかりますよね?」
こくこく、とシャルは頷く。
「だから、エリーは外~とは言ってないじゃん?」
「そういう問題ではありません!」
もうついていけない。そう感じたカルニアは頭を押さえて首を振った。
「そっか。そういえばそろそろバレンタインさんの日だよね。
豆まきはこれくらいにして、チョコレート作らなきゃ!」
シャルはそう言うと、あっという間にどこかへ豆を片付けた。
豆を食べる習慣は彼らには無い。自分が何歳か知らない者ばかりだからだ。
「どこかの合同宿舎の主は永遠の22歳だけどね!」
「誰に話しかけているんです?」
本当に誰にだろう。

バレンタインとは、シャルがチョコレートを作り、それを配りまくる日である。
そして、酒が飲めない彼が、ラムレーズンチョコや、ウイスキーボンボンを食べて
ひっくり返っている日でもある。
なぜそんなことをするのか。
それを聞いても、シャルは、「儀式の一種さ☆」と言うだけで、なにもわからない。ただ、そのときの彼は、口調とは裏腹に無性に寂しそうな顔をするのだ。
「バレンタイン~♪ 楽しみだな~♪」
それなのにシャルはこう歌う。なんとも理解しがたい生物ではないか。

「まあ私も楽しみですけど」
カルニアにとってのバレンタインも似たようなもので、
チョコレートを作って売りさばく日である。金銭も大好きな彼は一儲けできるので
嫌いではない日、というわけだ。
「フェイテルサマはどうするんだろーね」
突如、シャルが言い出した。カルニアは不快感を持った。
「いいじゃないですかそんなこと。あの人のことなんて」
シャルはカルニアの機嫌が悪いことに気がつく。
「あれ? どうして怒ってるの? 
フェイテルサマにはチョコを売りつけられないから?」
「そういうわけではありませんけど…」
実のところ、カルニア自身にも心当たりは無かった。今現在遺跡外で彼女がどこかへ
消え、カルニアはせっせと仕事をしている。それが不満の原因だろうか?
「うーん…」
カルニアはうなる。シャルはくるりとターンをした。
「ほらほら! 踊ってあげるから元気出して!」
「…意味わかりません」
言うがいなや、触手が1本シャルの立っている片足を捕まえて引っ張った。
「やん!」
シャルはそのまま素直に転倒。その姿を見て、カルニアは呆れた。
「いい加減、そのテキトーモードやめていただけませんか? 
本当はこれくらいじゃ倒れないくせに」
「いいじゃないか。カルニアのお子様モードと一緒だよ。ボクの本気モードはね」
シャルの今のような営業モードが地なのか、先程のようなバカモードが地なのか
カルニアにはわからない。
「両方ともボクさ」
「…誰かさんのセリフをパクらないでください」
昔、言われた台詞をシャルは引用した。自分が難しい顔でもしていたのだろうか、
こんなことを言うということは、とカルニアは思った。
さて、カルニアが指摘をすると、シャルは再び“にこぱ”と笑い、
「バレンタイン~ バレンタイン~ 楽しみだな~♪」
歌を歌いだした。
ごまかさないでください、とカルニアは言おうとした。しかし。

「本命がいなくても楽しみなのかしら?」
声が聞こえた。一瞬、シャルの目が鋭くなる。が、すぐに普通の目に戻ると
「あ、フェイテルサマ~。どこ行っていたの~?」
と、声の主に手を振った。カルニアも彼女の方向を向き、
おかえりなさいませ、と言う。
「ちょっと人探しをね。ここで待っていてもなかなか会えないものね」
「それは、みなさん冒険されていますからね。
私は今回のお仕事の準備はできました。相変わらず防具は厳しいですねぇ」
カルニアは前日に引き続き、防具の依頼が無く、残念そうである。
「ねーねー、そろそろ冒険しない? そろそろボク、呪いをそこらへんの人に
かけたくなってきちゃった」
シャルが迷惑なことを言い出す。まったくもう、とカルニアはいいつつも、
同意をした。
「私も…おなかがすきましたねぇ。モンスター、早く食べにいかないと
強い相手しか出てこなくて食べられなくなってしまいますよ」
「そうね」
フェイテルはそう言って水晶玉を覗きこむ。
「大丈夫よ。まだ大丈夫」
「そんなこと言って。ソロ協会の方々も、みんな先に進んでしまったら
どうされるんですか。完全に冒険は行き詰ってしまいますよ」
「あと少し待って頂戴。待ち人がいるのよ。それが終わったら、行きましょう」
カルニアはフェイテルの変わらぬ表情を見て、
「そんなものですか…」
とだけ、つぶやいた。
すると、くるり、とフェイテルはカルニアのほうを振り向き、
「それにしてもよくがんばってくれているわね、いい子」
と、彼の頭の上にぽふっと手を置いた。
「ああっ、やめてください、恥ずかしいです!」
人目が無いところにいるとはいえ、シャルがいる。
カルニアは否定の言葉を放つと、シャルの様子を伺った。

ニヤニヤニヤ。

(ああ、やっぱり…)
カルニアは頭をかかえた。フェイテルは始終、邪心たちにいい子いい子と
言いまくっているが、カルニアに対してだけは、頭なでなでがついてくる。
(これで、フェイテル様のデータ採取っ☆ ができればいいのですけど、
それもできないんですよね)
カルニアは触れた相手からデータを奪うことができる。
別に触手をいちいち出さなくても構わない。
しかし はたと なにかが カルニアに囁いた。
(やってみなきゃわからないよ?)
「……」
考える。そしてカルニアは実行に移した。

(データ採取完了。データ採取完了)
カルニアの頭の中に機械音声が再生される。
(ウソッ、本当にできてしまいました…じゃ、じゃあ内容は…)
確認してみる。そしてぐったりした。
フェイテルの冒険者カード(=ステータス欄)の内容だった。
(そ、そりゃそうですよね。そう簡単に司のデータが取れるわけありませんよね…
あ)
カルニアは気がついた。
フェイテルのなでなで攻撃が止まっていることに。
振り返り、フェイテルの様子を伺う。
「―――カルニア」
「ひいっ」
後先考えずに事を成してしまった、カルニアの失態である。

「いやぁぁぁぁぁぁぁ~!」
今日は、カルニアの悲鳴が響き渡った。

次回もバレンタインネタ引っ張ります。
バレンタインイベントが本家でも発生しますし。
同時に文章好きコミュのイベントですね。書きやすいキーワードで助かりました。

今週のランキング★
第32位  1636
順調すぎて、怖い。

しかし文章が迷走している気がします。
彼らの日常を書いているからでしょうか。
あと、フォーゼさんを早く出したいけど、魔術熟練が20にならないと出せないです。
魔術20になったら自分も装備無しで戦えるとカルニアが言っていましたが、
勘違いでした、私の。
すまんカル。
余裕があったら、杖も開花して、上位技能:異種共有を取るよ。
でもコレ、物理系20なんだよね…やっぱりキツイわぁ。

今回の更新で、どこで小隊イベントがあるかわかったので、
潜るときは、もう1つ魔方陣を増やせることがわかりました。
そのあと、組合で助けを呼ぼうと思います。…みんな来るかなぁ。
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