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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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探索34日目
謁見の間にはあっさりと到着した。
事あるたびにそこへ向かう者が一緒なのだから当然なのだが。
しかし、そこには先客がいた。
緑のドレスを身にまとった、茶髪の女性。
「あ、リンがいる」
ロンドが言った。
エリアスは目を丸くして、先客を見ている。
そして、ぼそりと呟いた。
「女型邪心3人勢ぞろい、か…」
誰かに聞かせる気があるのかないのかわからない、相変わらず暗い一言である。
来客に気がついて、女王が視線をこちらに飛ばしてくる。
リン、と呼ばれた女性もこちらを振り向いた。
「こちらは待っているべきか?」
エリアスは女王に尋ねた。
ふるふるとリンが首を振る。
女王は静かに言った。
「来るといい。運命様に集まるよう指示があった」
「俺は下がったほうがいいな」
エリアスはロンドの肩をぽむと叩くと、行くようにジェスチャーをした。
「いても構わぬが」
女王…メリアルトが眉をひそめて言う。しかしエリアスは首を振った。
「俺はフェイテルに監視されている。あの方の考えていることについて、
これから話すのだろう? だからいないほうがいい」
そう言って一礼した。
「そうか。ロンドの案内、ご苦労であった」
メリアルトはそう言って、エリアスをねぎらった。
エリアスは軽くコクンと頷くと、きびすを返して謁見の間を出た。

「あ、お兄ちゃんー」
城前広場に戻ってくると、オーザインがぱあっと顔を明るくして寄ってきた。
エリアスはぽむとその頭に手を乗せる。
「お勤めご苦労様です、エリアス殿。謁見がはじまったのですね」
その言葉にエリアスはコクンと頷く。
「今は時間があることだし…荷物保管場にいても構わないか?」
「構いませんが…隊長殿とあろう方がいるにはふさわしくない、質素なものですよ」
その言葉にエリアスは、ふるふると首を振った。
「そんなことはない。お前が勤めているところをそんな風に言うものでもない」
え? という顔になった門番を尻目に、エリアスはオーザインの手を引き
荷物保管所に入っていった。

荷物保管所に、オーザインの本体の大剣が置かれていた。
その横に、弓が置かれていた。
「それは?」
オーザインに尋ねる。
「わかんないー。置いてあったよ?」
「ああ、そういうことか」
エリアスは納得したかのように頷く。
? となったちびっ子はエリアスの周りをくるくる回った。
「先客がいたんだ。その者の物だろう」
エリアスの言葉は難しい。ちびっ子は今度は目をくるくるさせた。
「せんきゃく?」
無垢な声。
エリアスは顔をしかめた。どう説明すればいいか、すぐに思いつかなかったからだ。
「ええと」
「そのだな」
「ええと」
ぼそり。ぼそり。
エリアスは間をあけまくりながら呟くのみ。
オーザインはエリアスのことを大人しく待っている。ただし、エリアスを見つめて、
目をきらきらさせながらだが。それがエリアスへのプレッシャーになり、
さらに言葉を遅くさせていることになど、ちびっ子にわかるはずがない。
「……謁見の間に、ロンド、お前の主人が行きたがっていた。それはわかるか?」
こくん。
小さな頭が頷く。
「えっけんのま、がなんだかはわからないけど、ますたーがそこに行きたいって
言っていたのはわかるよー」
そうか、エリアスは口の中で呟く。
「そこに、先に、人が来ていたんだ」
こくこく。頭が再び頷いた。
「それが、先客がいた、と言う」
「そうなんだー」
オーザインはニコニコ笑って、そう言った。
無事通じたことに、エリアスはほっとする。
「ねえ、ねえ、これってなんなの?」
今度は弓を触りながら、ちびっ子は尋ねる。
エリアスは弓の近くまで行くと、辺りにあった椅子をふたつ、手に持った。
そしてひょいとオーザインの元にひとつ置き、もうひとつも置くとそれに腰掛けた。
この行動の真意に気がついたちびっ子は、椅子に座る。
「それは、弓と言う。剣は手に持ってふるえばいいだろう? 剣だけでなく、
槌、槍、鞭…たいていはそういうものだ。だがこれは特殊なものでな…」
エリアスは腕を組む。どう説明したものかと悩んでいるのだ。オーザインはそれを
見て、真似をして腕を組んだ。
「この太いほう…ここを持つ。この細いほう…それを引く」
「?」
ちびっ子には全く理解できなかった。
そもそも、エリアス自身が理解しているかも怪しい。
「…忘れてくれ。言い直す」
エリアスはそう言って、一度立ち上がり、深く椅子に座りなおした。
「これを触っていいのなら、説明もしやすいのだがな。だが他人の物だし
 そうもいかんだろう…」
独り言。
しかしオーザインはそうは受け取らなかったので、
ちょこんと椅子から立ち上がると、弓をひょいと手に取った。
「触れたよー」
その行動にエリアスはびっくりだ。
感情表現が豊かな者なら、目が飛び出していただろう、というくらい驚いた。
「なんてことを! 人の物を勝手に触ってはいかん!」
怒った。するとちびっ子は明らかにしょんぼりして、
弓を元の場所にコトンと置くと、椅子に座って下を向いた。
ぐすっ…
音が聞こえる。
オーザインが泣いているのだ。
エリアスは自分の意思で泣いたことがない。
だが、ひとつの世界を任された存在。世界の者が泣いているところを見たことは
ある。だから泣く、ということがどういうことかは、不幸中の幸い、知っていた。
「……」
自分の言葉のせいで泣かせてしまった。
それは理解した。だがどうすればいいかわからない。
しばらく時間が流れた。

「ぐすっ…お兄ちゃん、怖いよう…」
オーザインがぽつりと呟いた。
「……す、すまん」
他にもなにか言うべきだろう。しかし言葉が出てこない。
そのときだ。
時空が歪んで、赤髪の少年がまた現れた。
「ホントですかぁ? 本当に自分が悪いと思っているのですかぁ?」
条件反射でエリアスは本体の剣を取り出すと、カルニアの分身を叩き斬った。
が、叩き斬ってから、今回は自分に非があることに気がついた。
聞こえるかはわからない。だが、エリアスはいつもとは違う、
はっきりとした声で言った。
「お前の言うとおりだった。カルニア、すまない」
すると声だけが返ってくる。
「わかればいいのですー」
また条件反射で斬られたらかなわない、そう思って姿を現さなかったなどと、
エリアスが気がつくはずは無かった。
ともあれ、オーザインのほうに向き直ると、またはっきりとした言葉で
エリアスは謝る。
「すまん、オーザイン。怒鳴ってしまった。言いすぎだった」
しかしだ。
すでにちびっ子の機嫌は直っていた。
原因は、エリアスがオーザインに謝るのを優先したため、
片付けていない魔剣である。
「きれいー」
目がきらきら。
エリアスはまた真っ赤になったが、自分が悪いことをしたという罪悪感も手伝って、
隠すことはせず、しっかりとそれを見せることにしたのだった。

刀身は黒。まるで宝石でできているかのように純粋な黒。
オーザインが手を伸ばすと、エリアスはその手を掴んだ。
「危険だ」
攻撃力は無限大の剣なのだ。いつも無限大なわけでは無いのだが。
もしそうだとしたら、カルニアを叩き斬る度に城が壊れている。
柄も黒。だが握る部分から上にかけて、古代文字が掘り込まれている。
自分のことなのに、エリアスはこの文字が読めない。
柄の中央には螺旋の模様が入っている。この意味も、エリアスは知らない。
「お兄ちゃんって、剣のこと、どう思っているの? 
なんでわからないのに放っているの?」
小首をかしげるオーザイン。
「お前も不思議な形の柄だが、どうしてそんな形か気にしたことはあるか?」
質問で返すエリアス。するとちびっ子はにこーっと笑った。
「お兄ちゃんの気持ち、わかった!」

そんなことを話していると、ぱたぱたぱた…と足音が聞こえてきた。
ロンドが戻ってきたのだ。
「ますたー!」
オーザインが嬉しそうに声をあげて、彼女の元に駆け寄っていく。
その様子を見ながら、エリアスは、自分の元になったとも言える者が動き出した
という事実に、複雑な思いを抱えていた。


――暑いですね――

今日は大変でした。作成時間2時間。
やればできるじゃん。でもチキレはやはり怖い。

今日のランキング☆
第18位  1991

やっと魔衣が出てくれそうです。
でも同時に強化も出ます。
訓練枠が足りなすぎる…
武器強化→魔石強化→魔衣の順番で上げる予定。
あと、余っている技能ポイントを無駄遣いするため上げだしましたが
これも訓練枠の関係で、50日に間に合うか大変怪しいです。
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