忍者ブログ

定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

探索38日目
○DarkPinkHorse!!でサマーバケーション中○

「さまーばけーしょん、って知ってる?」
シャルが言い出した。
「さあ?」
「知らん」
「知らないなぁ」
他使い魔3名は口々に答えた。フェイテルはその横で、すっかり居ついている
ライブ会場の歌声に耳を傾けている。
「夏だ! 海だ! ダンスだ! というお祭りだよ」
「あ、嘘邪霊発見。(ぱくっ)」
シャルの解説の後半、ダンスのところで嘘の小さな邪霊が飛び出した。
すかさずいただくカルニア。
「嘘じゃないもん! ボクは踊るんだい!」
嘘…というより思い込みで発言をしたらしい。そして本当にくるくると踊りだした。
「元気だな、お前は」
エリアスが呆れて言う。するとシャルは回転をやめ、つかつかとエリアスの元へ
やってくると、手を引いて無理やり立たせた。
「エリーも一緒に踊ろー」
くるくる。
シャルはエリアスを回し始めた。
「やめろ。無駄な行為だ」
しかし、シャルはどこ吹く風だ。
「ムダ? ムダじゃないよ。現に、舞術だって存在してるんだぞ!」
「それはそうだけどねえ」
フォーゼは諦めたかのように、首を左右に振りながら、
そう、首の体操のようにしながら言った。
「しかし賑やかですねぇ…」
ライブ会場は熱気に包まれている。カルニアはもらったジュースを飲みながら、
ライブの中心地の那智さんを見た。
フェイテルもライブ前にいただいたノンアルコールカクテルをいただいている。
(味覚もほとんどないのに…もったいない)
カルニアは思った。
すると、フェイテルがカルニアのほうを振り向き、にっこりと笑った。
「あー! ライブ聴いているふりして監視ですか! ずるいですよぅ!」
フェイテルは微笑んだままなので、カルニアは言葉を続ける。
「音楽がお好きなんですよね? でしたらちゃんと聴かないと失礼ですよ! 
あと、せっかくいただいたものなんですから、それもちゃんと味わってください!」
「好きで味覚音痴なわけではないのだけれど」
フェイテルは静かに言った。その声は沈んだものだったが、
あたりの賑やかな世界もあって、カルニアが言葉の裏を読むことは難しかった。
「精一杯、おいしくいただいているわ」
「おいしくいただいているよー!」
エリアスを回すのに飽きたのか、シャルがテーブルに乗せていた自分のグラスを
持ってやってきた。
「このコーヒー、おいしい! 名前は難しくてよくわかんないけど!」
「…苦そうですね」
シャルの笑顔からカルニアはそう判断した。
「飲み物がもらえるところがあるのかい? だったら僕も行きたいね。
エリアスの分も取ってこよう。なにか希望は?」
「ラーメン」
フォーゼが気を利かせて言ったのに、エリアスの答えはボケていた。
すぐさまカルニアが指摘する。
「ラーメンは飲み物ではありません!」
「…他に好き嫌いは無い。任せる」
エリアスはそう言うと、ぷいとカルニアから視線を外した。

「しかし…」
カルニアは呟く。その心の中には、先日消えてしまった騒がしい自分の配下のことが
浮かんでいた。
フェイテルはなにも言わない。カルニアの言うとおり、音楽に集中しているのか、
あえてなにも言わないのかは誰にもわからない。
(あの子がここに来ていたら大喜びだったんでしょうね。
一緒に歌ったかもしれない。…ああ、歌う才能はついてませんでしたね)
胸が痛む。一度滅びた者を蘇らせただけあって、配下たちにはそれなりに
愛情が湧いていたのだ。それに気付いて、彼はため息をつく。
「無くなってから…わかるものですね…」
「んー、なーにがー?」
独り言に対して、シャルが反応した。
「シャル。貴方は今まで普通にあったものが無くなって、それからその普通だった
ものがとても大切だったんだ、って思ったことはありますか?」
問いかけられた者はちびりちびりとコーヒーを飲みながら、うーんと声を上げた。
「ボクは基本的になんでも大切だと思ってるから、なかなかないなぁ」
「そうですか」
カルニアは下を向く。が、まだ考えていたシャルはグラスを持ったまま
動きを静止させて、ぽつんと呟いた。
「あ。――姉さん」
「え?」
初めて聞くその存在に、カルニアは唖然とした声しか出すことができなかった。
「シャル、お姉さんがいたんですか? いじめっ子の兄と弟しかいないんじゃ
なかったんですか?」
カルニアの言葉にシャルはくねくねと動く。
「ホラ。だって考えてもみなよ。兄は火。弟は土。じゃあ水は?」
「別の世界から勧誘してきたと聞きましたけど」
カルニアが生まれるより昔。一番古い世界にいた、力を持ちながら復讐のためだけに
育っていたという水の竜。なにもかもが終わったとき、
他の事はなにも知らないにも関わらず、人手不足だからと、
シャルが無理やり自分たちの仲間に加えた竜がいたのだった。
「最初っから欠けてるわけないじゃない? ボクたちはいつ生まれたのか
全然記憶にないけれど、属性と方角と季節を守護するために存在していたんだ。
そんな大事なものが、欠けているわけ無いじゃない?」
「それもそうですね…」
カルニアは頷く。手に持っていたトマトジュースはすでに無くなっており、
カランカランと氷が音を立てていた。

「ボクたちの世界は第4の世界と言われるけれど、世界の構成とか整備したのは
ボクたちなんだよ。つまり、世界があって、それを守護するために
やってきたわけじゃなくて、あの世界を作ったのがボクたちって言っても
過言じゃないんだー。それに関わっている水の竜は、ボクが勧誘したあの子だった
わけ。もっと昔はボクたち、違うところにいたんだ。それが――どこだったか
思い出せない。正直、姉さんがどういう人だったのかも思い出せない。
なんでなんだろう」
「ふむ…」
カルニアは呟く。
「そういう記憶の欠落は、人間でもよくあることですね。性質の悪いことに
人間の場合、欠落したところを適当に埋めて、それが真実なんだと
思ってしまうところがあったりするんですよ」
豆知識の披露。
「むー。全然答えになってないよー」
シャルはむくれる。
「では単刀直入に申し上げます。司がなんかしたんですよ。
どの司が、なぜそんなことをしたか、まではさすがにわかりませんが」
「え」
言葉通り、シャルの目が点になる。
「ですが、8割の確率でフェイテル様ですね。司戦争より前に貴方が生きていたと
いう可能性もあるので、断言はできませんけれど」
「司戦争?」
シャルが首を傾げた。
(しまった!)
カルニアは思う。知らないなら知らないほうがいい事実だからだ。
「忘れてください!」
「やだ」
あまり期待せず頼んでみたがやはりダメだった。
「どうしても?」
「ウン」
「フェイテル様にお仕置きされるかもしれませんよ」
「いい。興味シンシン!」
「私も巻き込まれるんですが」
「いいじゃない!」
「………」
カルニアがどうなろうと、シャルには全く関係がない。抑止力にならないことを
言わざるをえないくらい、カルニアは困っていた。
やっと諦めがついたか。カルニアが重い口を開く。
「簡単に言えば、フェイテル様が他の司をほぼ全滅させた、事件ですよ…」
「フェイテルサマが?!」
シャルは一歩後ずさって言った。大げさなポーズまでして。
「だから今は司が3人しかいないんです。どうしてそんなことになったのかまでは、
私も知りません。ただ、『世界に存在するものは決してフェイテル様には
勝てないという宿命』を使って、あの方が司を滅ぼしたというのを、
司戦争と私が勝手に名付けて呼んでいるんです」
「………」
シャルは沈黙するしかなかった。
その間、エリアスは大量に出てきた飲み物に集中しており、話を全く
聞いていなかった。フォーゼは耳がいいので聞こえていたが、
自分の身が危ないと思い、知らん振りをしていたのだった。

ライブは、賑やかに、激しく、美しく、続く――


――いつの間にか――

自然に最終回に向かい始めました。
アイコンも増やしておきました。前回動き出した二人の分です。
でもオルドビス、早く塗ってあげたいなぁ。
目の色が決まらず、持ち主とギャースカやっています。
(私のキャラが大半なのですが、オルドビスだけ弟のキャラなんです)

今日のランキング☆
第18位  2018
継続は力なり。

ライブをやっているらしいので、そこに参加させていただきました。
なっちゃん可愛いよ。

フェイテルの特殊環境は…早くても45日までお預けです。
ということはデスティの登場も45日か! むう。
PR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
 管理人のみ閲覧
 
TRACKBACK

トラックバックURL

Copyright ©  -- ダブルスパイサー --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Material by 妙の宴 / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]