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定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

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探索48日目
フェイテルはまだ、崖の上に立っている。
その前ではくるくると水晶玉が回っていた。

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大量の司たちに、押しつぶされ、フェイテルは自分の身の危機を感じた。
自分の頭に浮かんだ意思に従い、すい、と手を前に突き出す。
それが狂っているなんて、夢にも思わず。
「無知なひとたち。私は宿命の司。この次元のすべての者に宿命を与えていたのよ。
誰も、私には勝てないと」
言うのとほぼ同時。
光の槍が、司たちの前に現れ、貫く。
悲鳴をあげて転倒する司たち。
そのおかげで、踏み潰されていたシャインが立ち上がった。しかし彼は叫ぶ。
「フェイテル! どうしたんだ! 確かにフェイテルに襲い掛かった彼らも悪いさ。
でも、その槍…、確実に存在を滅するものじゃないか!」
いつも私に話しかけてくれていたひと。
このひとはできることなら、殺したくない。
フェイテルはぼんやり考えながら、うつろな瞳で彼に尋ねた。
「――ルナは何処?」
ごくり。
シャインは息をのんだ。その言葉の意味を察したからだ。
「それは言えない。今のフェイテル、おかしいぞ。少し落ち着いたほうが」
「私は落ち着いているわ」
即答。
それに対し、首を振るシャイン。
「おかしいよ。間違ってるよフェイテル。ルナがなにをしたっていうんだい?」
「教えてくれないのね」
しかし、フェイテルの耳には、自分にとって有用なものしか届かなくなっていた。
その先の記憶は、無い。

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我にかえると、コアは無くなっており、ただただ暗い空間がそこにあった。
正面には、弟、デスティニーが無表情で浮かんでいる。
フェイテルが自我を取り戻したのを察したのか、その口が動く。
「私のせいだ」
「デスティ?」
フェイテルは、この状況を作り出したのが自分だということを
自分の中で納得させるのに苦労しながら、弟に問いかけた。
「私がフェイテルのしていることを相談した結果なんだ」
「そうね」
否定するつもりは無かった。フェイテルの感情が高揚したのは、彼が他の司たちと
交流し、笑顔を浮かべていたのを見たのが理由のひとつだったからだ。
それを肯定することで、デスティニーがなにを感じるのか。それを察することは
フェイテルにはできなかったのだ。
「私は弱かった。もっと強ければこの事態は避けられた」
「あら。デスティは強いじゃない」
フェイテルが言ったのは、力の強さ。
デスティニーが言ったのは、心の強さ。
「もっと我慢強ければ、自分だけで解決できたかもしれない。相談などしなければ
よかった」
「終わったことを悔いても仕方ないわ」
にこ。フェイテルは微笑んでみせる。
しかしデスティニーの瞳は虚ろなままだ。
「相談してしまったのは、奴らを信頼してしまったからだ。全く余計な機能がついて
いたのだな。私たちにはほとんどの感覚がついていなかったというのに」
「いいのよ。そういう機能がついていたということは、こうなる宿命だったという
ことじゃないの」
フェイテルの笑顔は消えない。だが、それに関してデスティニーは責めないし、
自分自身の無表情に関してもなにも言わない。
「こうなった以上、フェイテル、お前の顔を見ていたくは無い。
私はこことは別の場所で、運命を見守り続ける」
「――デスティ?」
笑顔のままのフェイテルでも、なにかがおかしいことに気がつく。普段の彼ならば、
フェイテルのしたことに対して、真っ先に責めて、場合によっては胸倉をつかんだり
するものだと思っていたのだから。
「さらばだ」
ふわり。
デスティニーは去っていく。
「待って。責めないの、私を?」
「責めてもなにも変わらん。お前もそう言っていただろう。そのとおりだ」
「私は貴方と交流があった司も――殺したのよ? なんとも思わないの?」
殺した。その言葉を吐き出すのに躊躇した。しかし、心の動きとは逆に
笑顔を浮かべることが止まらなくなっている。
「思う? そんな余計な感情は捨てた」
笑顔のまま、固まる。
自分のしたことが原因で、弟は感情を捨てたというのか。
心の奥底がもやもやとする。
その感覚がなんなのかフェイテルが考えている間に、デスティニーはふわりと
フェイテルに背を向けて、遠くへ飛び去っていった。

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(デスティ。貴方が感情を捨てたことで表情が変わらなくなったみたいに、
私も笑顔を浮かべることしかできなくなったみたいだわ)
違うのは、弟は自分の意思でしたこと。自分は自然とそうなっていたことくらいか。
そう、弟のことを考えていたときだった。
懐かしい感覚が体を駆け巡る。
すぐさま振り返った。
そこには――

相変わらず無表情の、デスティニーが手に杖を持ち、立っていた。

「デスティ―― また会えた。嬉しいわ」
心からの笑顔になる。何千、何万年ぶりだろうか。
「………」
しかしデスティニーはなにも答えない。
ただ、じっとフェイテルを見つめている。
「この島、素敵でしょう? いろいろなひとたちがいる。私たちの治める世界は
お互い見ることができるけれど、ここには想像を遥かに超えた者たちがいる」
「……た」
かすかに口が動いた。
フェイテルはそれを聞き取ろうと、話すのをやめる。
「お前を、殺しにきた」
「まあ」
フェイテルは水晶玉を抱え込む。
「デスティ。この島は私たちの世界とは違う世界。でもね、ここでも、私が貴方に
課した“私は誰にも負けない”という力は働いているのよ」
にこにことフェイテルは言う。
対してデスティニーは無表情のまま言葉を紡いだ。
「私がいなければ、誰が人々の運命を守るのか。そう言われ、司たちが殺される中、
自分だけは逃げた。だが」
目を閉じて首を振る。
「お前がいなくなれば、私も運命を守る必要がなくなる。本来運命とは完全にヒトの
手にゆだねられるべきもの」
「それで? 相打ちになるつもりなの? 私は誰にも負けない。
相打ちにだってならないわ」
フェイテルには彼がなにを考えているのかさっぱりわからない。
無駄な殺生になりそうなので、止めるように誘導を試みてみる。
するとデスティニーは、すい、と杖を構えて立った。
「いや……この島ならできる。運命を変える強い力を持った者たちが多くいる
この島ならば。その力を借りて、僕はお前を討つ」

これが、最後の戦いの口火を切った言葉だった。


――ぶらっくがもうダメです――

キツイ。
憎むということに不慣れなPLには相当難産でした。
(現に、初期構想ではフェイテルvsルナも考えていたのですが書けなかった…)
短いけど、これ以上は書くことがない。そう諦めたものです。
しかし本当の地獄はこれからだ。
冷や汗と、今までやったことのないことに対することへの武者震いで
おなかの中がぐるぐるしています。

今日のランキング。
第16位  2147
器用はもうダメだな。CPが足りません。

あと、ヒュペちゃんごめんなさいとか、ギュス様可愛いんですけどとか
おまわりさんとこのあの人はスゲー謎だったんだけどそうだったんかーとか
叫びたいことはいろいろあるのですが、疲れたから寝る。
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