忍者ブログ

定期更新型ネットゲーム「Ikki Fantasy」「Sicx Lives」「Flase Island」と「Seven Devils」、「The Golden Lore」の記録です。

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「いやー、お恥ずかしいところをお見せしちゃいました~!
お洋服、ありがとうございますぅ!」
その子供はコロナと名乗った。
「しかし…腹黒猫が急に人型になるとは、迷惑この上ない」
「すみませんです~」
にぱっと笑ったままぺこぺこする子供。
「まあ、服の予備があって助かりましたね」
本当に幸運でしたよ、とロゼは言う。
「そうだな…あのままだったら本当に困った……」
苦い顔のヴィテスと、興味深げに自分を見るロゼを見比べながら、コロナはふふっと笑いをこぼす。
「なにがおかしい」
「いいえ☆」
満面の笑みで否定を返されても、とヴィテスは内心思いながら。
「まあ…いいさ」
と言ってその場を去って行った。

残されたのはロゼとコロナ。
「……エンブリオとは本当に不思議なものですね」
「気が済みました~?」
ぺたぺた触られながら問いかけるコロナに、頷くロゼ。しかし
「私の観察じゃないですよぅ? みなさんを欺くことにです」
問われて、ロゼは凍りついた。
PR
クアールに異変が生じたのは昨日のことだった。
低いうなり声を上げていた猫の近くで、なにか“ゆがみ”が見えた。
「なんだ!?」
ヴィテスはぎょっとして声を上げる。
「異世界との扉です!」
ロゼは以前の世界移動の経験からか、すぐさまそれの正体を見破り叫んだ。
「にゃにゃ…ふ!」
猫が最後に発した言葉が聞こえるか聞こえないかの間、あっという間にゆがみは拡張した。

「う……」
先にもぞりと動いたのはヴィテスだった。そしてそのまま固まる。
自分たち以外に全裸の子供が倒れていたからだ。
強くなりたい

でも

あいつの力を使ってはいけない
「断る……っ! 魔に手を貸すつもりは、ない!」
「ヴィテス……?」
差し出された手へ拒絶反応を示したヴィテス。
その声の強さにロゼは驚きの声をあげる。
「なにを言うのかと思えば……なにボケかましてるんだ、サウンディ。俺たちはこんな連中の力を必要としてないっての!」
ボンバーも異論を唱えた。だがサウンディと呼ばれた女性は黙って手を差し出したままだ。
「……なぜ、その手を引かない!」
それに不快、否、嫌悪を剥き出しにしてヴィテスは弓を構える。それでも尚、手を差し出していたサウンディだが、ヴィテスが弦を引いた地点でようやく下ろした。
「ここまで嫌われるとはな」
「当たり前だ! お前は立場をわかっているのか!!」
ヴィテスの声は、叫びの域にまで達していた。

「そこまで感情をあらわにするタイプには見えなかっただけだ」
ぽつり、と洩らしたサウンディ。
そしてくるりと背を向け、歩き出す。
「お、おい。隙だらけだぞ!」
ボンバーは慌ててその背中側に立ち一同を睨みつける。
「よくわかんねーから今日は帰る! おいサウンディ、ちゃんと説明しろ、さっぱりわけがわからんぞ!」
「………」
殺意を放ったままヴィテスは去る存在を見送った。


そして、気配が消えたあと、呟いた。
「強くならなければ……」
「!?」
声に反応して振り返れば、当然のようにボンバーがそこに居た。
だが今日は一人ではない。ボンバーもタインも長髪だが、それにも増して髪の長い、身体のラインからして女性と思われる人物が隣にいる。
『彼女』は目を長い布を目隠しに使っていた。その布には目が描かれており、不気味さを覚えさせる。
「サウンディ。で、この二人に用があるってなんだよ?」
ボンバーが『彼女』…サウンディに声をかければ、こくりと彼女は頷いて、ヴィテスとロゼに手を差し出した。

「特別な力を持つ者たちよ。私たちと一緒に来ないか」
Copyright ©  -- ダブルスパイサー --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Material by 妙の宴 / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]